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カナリヤは眠れない (ねこ3.2匹)

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近藤史恵著。祥伝社文庫

「整体師合田シリーズ」第1弾。

新婚7ヶ月目の墨田茜は、過去に買い物依存症に罹っていた。一時は治ったかのように
見えたが、結婚し、カードを持たされるようになってからその症状はまた復活してしまう。
そこへ、学生時代の友人達に久々に再会し、彼女達の裕福で幸せな様子を見せつけられてから
買い物癖に拍車がかかる。
悩みながらも胡散臭い合田接骨院に赴くと、そこには腕は確かだが怪しげな整体師が。
彼は、茜にもっと自分をいたわれと言う。いまいちピンと来ない茜だが、ある日ひょんな事から
17歳の少年と親しい関係になりーーー。


このシリーズ、以前続編(タイトル忘れた^^;)を読みました。シリーズ物だとはつゆ知らず。
こっちを先に読んでいれば、合田さんの存在がもっと映えたかもしれないですね。
でもまあ、ストーリーには何の支障もなかったです。

この作家が描く女性、共通点があるのですが全作品こういう傾向なのでしょうか?
その共通点とは、「自立心がない。つまり依存心が強い。」。
今作は「買い物依存症」という病気がテーマですから、そりゃそうなんですけど、なんだか
そういう問題でもないのでは。。という感触なのですよね。
こういう人格なら、そりゃ寄って来る人間も碌なもんじゃないわな、という印象しか
抱けない。

本来、そういう人間が合田や純粋な少年と出会い、経験を経て成長する、自立に目覚める、という
テーマなので物語の展開やストーリー力は感じます。
しかし、この合田のアドバイスがどうしても、「こういう人間用」のものにしか機能しない
ように感じるのはどうしてか。極端な、深刻な悩み、状況の登場人物を出して
彼らの成長、経験と共に、普遍的なメッセージを読み取る、という物語であれば
こういうキャラクターでもかえって惹き込まれたりもするのですが。。

まあ、なんだかんだ言って面白いな、と思ってさくさく読んでいるので
次読む本にも期待しましょう。ああ、今回は何のオチも浮かばない。。。