すべてが猫になる

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魔物どもの聖餐 (ねこ3.8匹)

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積木鏡介著。講談社ノベルス


久羅の脳髄に囁かれるのは恐ろしい殺人鬼の「復讐せよ」というおぞましい計画。
桔梗荘に集まる人間を皆殺しにせよと言うのだ。
そこに到着したのはなんと謎の王族一家たち(なぜか日本人^^;)。
舞台は奇妙な桔梗荘からおとぎの国へと移行し、
現在の殺人事件は同時進行で進む。



へ、変だ。とてつもなく変な本だ。
変すぎる。麻耶氏や浦賀氏や佐藤氏が普通に思えて来た。
視点が変だ。
登場人物が変だ。
語り口が変だ。ストーリーが変だ。この作家はとんでもないぞ。
もの凄く頭がいいか、○○ガ○かもしれないぞ。

前作「歪んだ創世記」に比べると、精錬とはしているかも。
なんというか、とりあえず全て読めば世界観もストーリーも謎も理解できます。
特に童話の章は相当面白いです。
アリババから兎と亀から赤ずきんちゃんから白雪姫から何でも来い。
ファンタジーとして読めば怖いものはないってことで。


なんといっても、語り手が誰で、語られてるのは誰かがかなり読み進めないと
わからない。まるで自分に「君」「お前」と言われているようで薄ら寒いです。
作者でもない。神の視点でもない。
そう、地獄の傀儡師なのだ。…………………って、なんだーーーこれーーーー^^;
悪魔の毒舌と、読者へリアリズムを奮起させるこの文体、手法は
かなり自分には新鮮でまさに新境地でした。


そしてやっぱり、オススメはしません。。。
イヤな気分にもならない代わりに、受け入れてしまえば強烈なインパクトはないかも。

ちなみに、推薦者はあの竹本健治さんです。はははは。。