すべてが猫になる

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Killer X (ねこ3.8匹)

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クイーン兄弟著。←書いてて恥ずかしいんですが……(^^;)。光文社カッパ・ノベルス。

文庫が出てしまいました・・・。もうクイーン兄弟ではなくなっています。
そういうことで、もういいだろうと勝手にこの書庫(笑)に。ええ、こっちなんです。
ノベルス発売当時は、著者当てクイズがあったようですね。賞品は、
カッパノベルス3ヶ月分と、キラー・エックスTシャツ(笑)。いらないいらない^^;。


推理作家の本郷のもとに、恩師から同窓会の招待状が届いた。
同窓生5人と共に、恩師の立原邸へと訪れる。
その山荘は、立原のある事情でオートメーション化しており、
当日は吹雪によって外界との連絡、交通は遮断。
キラー・エックスからの魔のメッセージは何を意味するのか。
惨劇の開幕は何時ーー!?


東京に跋扈する「突き落とし魔」事件と、山荘との二重構成です。
書き回しで、アレ系のトリックもあるだろうな、ということはたいていの読者は
感づくでしょうか。
とか何とか言いながら、なぜ私は常に騙されるのでしょうか?
なぜ悔しいって、読後ならなんとでも言えますけどこの作品はとことんフェアだからです。
金田一少年なら、間違いなくそのコマに「!」と表記されていたはずなほどに
単純な伏線だった。

二転三転するクライマックスも、登場人物達の色づけも、犯人との駆け引きも、
実にお見事でした。

欲を言えば、作品のタイトルにもなっている「キラー・エックス」のキャラクター。
これがですね、実にかわいくないんですよ(笑)作品では巷で流行していることに
なってますが。かと言って不気味ともほど遠いし、クローズドサークル殺人の恐怖を
盛り上げる役割としてはどうも力足らずなモチーフだった気がします。


しかしこの作品はどうしても文章、トリック共に弟作家色が強いように思うのですが。。
お兄さん作家らしさはどこに?気付かれた方いらっしゃいますか?