すべてが猫になる

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水晶のピラミッド (ねこ3.2匹)

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講談社文庫。


シリーズ長編第5弾。

エジプトのピラミッドで起こる怪事件。
空中30メートルの密室で男が溺死。(しかも海水)
そしてアメリカに出現したピラミッドの謎。
女優・松崎レオナは全身全霊をかけた映画の撮影中日本へ飛び、
御手洗潔に事件解決を依頼する。
が、折り悪く御手洗はかわいがっていた犬が急死してからというもの
極度の鬱病にかかっていた。最初はレオナの依頼をすげなくつっぱねていたがーー。



はい、御手洗潔が世界進出。
ここまで来るとすいませんがわたくしついていけません。
エジプト、アメリカ、日本。そしてタイタニック号の惨事。エジプト・マーデュの
ミクルとディッカの悲恋。

場面転換が凄いですがややこしいわけではなく、何重もの構成になっているだけなので
ついてはいけます。
ただ、最後にこの全てが繋がってどかーーん、というのを味わいたいがために
ピラミッドの講釈やレオナのうざすぎる愛の告白や知っているタイタニック号事件を
我慢して読んでいたのですよ。

ふふふ…………まさか伏線がないとは………。
図の解説も、余計なところにはあり、肝心のトリック解説の場面では載せていない。
そして、御手洗さんはいつから料理に興味がなくなったんだ(笑)

正直本作で私は作者が何を意図していたのかがわからないままでございます。
トリックは仰々しく大胆な発想で楽しめたし、ミクルのお話も好きだったんですが。

うーん、まさか御手洗さんを読むのが苦痛という日が来るとわ。。

再読の可能性はかなり低いですが、もしかしたら
「空は青いんだ。そしてそこにある雲という代物はなんと君、白いんだよ!」
このセリフが読みたいがためにもう一度読み返すかも。。