すべてが猫になる

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クリスマス・テロル (ねこ2.5匹)

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講談社ノベルス


ノンシリーズ長編です。

女子中学生の冬子は、衝動的に見知らぬ船に乗り込み、見知らぬ孤島に辿り着いた。
そこで知り合った謎の青年。冬子はその青年から、奇妙な仕事を依頼される。
それは、密室状態の岬の小屋にひきこもる男の「監視」というものだった。
やがて、事件は起きるがーーー。



はいはい、佐藤氏の自爆テロ小説でございます。
このあらすじははっきり言って、佐藤氏の狙いと全く関係のない飾りでございます。
このストーリーである必要はまったくございません。
これがもし、新刊として読んでいれば読後講談社に問い合わせの電話の一本でも
していた所ですが、この後も作品を出版している様子ですので冷静になれ、自分。

読んだ人にしかわからない話となってしまいますが、(重要なネタバレはしません)
終章をあとがきにしてしまい、作者の断筆宣言ともとれるくだりなど確かに衝撃。
……ですが、純文学などでは珍しくもない手法かなと。
しかし、物語自体の完成度の低さと、いくら腕を上げたとはいっても、この筆力レベルでは
こういうテクニックは通用しないかも。

読者は著者が思っているほど愚鈍でも頑固でもないはず。
単に売れない自分の本やマニアックな世界観が受け入れられない事への愚痴、という
解釈をされたとすれば、それは著者の力不足です。


重版童貞だなどと自身を揶揄してらっしゃいますが、
よく見たら本作は第7刷も刷られているではないですか!!

皮肉だと受け取るか?計算なのか?