すべてが猫になる

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監禁  (ねこ3.7匹)

秋吉理香子著。双葉社

幼い娘の育児と仕事の両立に限界を覚えた由紀恵にとって、今日が勤務の最終日。 夜勤の間は、夫の雅之が自宅で娘を見ている。 だが、ラインのメッセージに返事はない。電話をかけても繋がらない。 由紀恵は自分に執着していた不気味な患者の存在を思いだし、胸騒ぎを覚える。 家族の絶望と狂気、そして再生を描いた戦慄のサスペンス。(紹介文引用)
 
秋吉さんのサスペンスもの。タイトル通り、ある人物が何者かに監禁される物語。
 
監禁事件そのものよりも、看護師である主人公の由紀恵のお仕事物語の方が比重が高く面白かった。ワンオペ育児で仕事も鬼のように忙しく、ストーカーの悩みまである。特に育児と仕事の両立や自称イクメン夫など、読んでいるだけでしんどさが伝わってくる。でも仕事を諦めようと思った途端気づく職場での魅力みたいなものってあるよね。
 
まあそこはリアルで良かったのだけど、肝心の監禁事件の犯人の心理や言動などはちょっと浅かったかなあ。恐怖はあるけども。どんでん返しがあるので盛り上がりはあるが、せっかくのいいテーマが薄れてしまった感。まあ面白かったけど、由紀恵はほんとにこの夫でいいの?