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野外上映会の殺人/Death Under the Stars  (ねこ3.8匹)

C・A・ラーマー著。高橋恭美子訳。創元推理文庫

クリスティの『白昼の悪魔』を映画化した『地中海殺人事件』の野外上演会、もちろん〈マーダー・ミステリ・ブッククラブ〉はそろって参加した。ところが映画が終わったとき、ブッククラブの隣の女性が絞殺死体で発見された。いくら映画に夢中だったとはいえ、目と鼻の先で人が殺されていて気づかないなんて。容疑者が多すぎて警察の捜査が難航するのを尻目にブッククラブの面々がまたもや独自の調査を開始する。人気シリーズ第3弾。(裏表紙引用)
 
アリシア率いる<マーダー・ミステリ・ブッククラブ>シリーズ第3弾。と、いうより<アガサ・クリスティ・ブッククラブ>みたいなもんだが。。今回のオマージュ作品は「白昼の悪魔」。。の、映画化作品「地中海殺人事件」。この映画の上映中に殺人事件が起きるので、時間じゃなくて映画のあのシーンの時は、、あのシーンより前には、、という風に説明しちゃう証人のみなさん。なので映画の方を観ているほうがイメージできて楽しめるかも。筋を追う分には未見、未読でも何の問題もないのでご安心を。
 
クラブの面々が手分けしてバーでアルバイトしたり断酒会に参加したり色々と調子に乗って暗躍するので結構警察に嫌われてしまう回。警察側にも色々私情が入ってるんだけども。。なんといってもアリシアが前回までの恋人・アンダースから刑事のジャクソンに乗り換えちゃってるからねえ。ジャクソンに想いを寄せていた女性の心理としては「なんだこの女」ですわな。。ジャクソンは優しくて真面目でアリシアを尊重してくれるところがとてもいいけれど(アンダースがそうでなかったとは言わないが、ちょっと裏切られてるからねえ)、もうちょっと押してもいいんでない?アリシアみたいなタイプにはグイグイ行かないと。
 
事件のほうはなかなか複雑で理解に苦労したけれど、トリックとしてはまあまあ及第点かな。実際にやってみないとピンと来ないかもしれない。
 
て、最後のアンダースの手紙にビックリ!!このシリーズこういう感じで循環していくんだ?また新たな展開あるかな。次作は「そして誰もいなくなった」のオマージュ作品だそう。楽しみ。