有川ひろ著。講談社。
稀代のストーリーテラーが綴る7編、7匹の物語。 時間は有限。出逢いは無限。 『旅猫リポート』外伝2編も収録! 猫の浩太は、一家の長男・浩美と生まれたときからずっと一緒。 もう二十歳を超えるけど、年齢を感じさせないピカピカの毛並みがご自慢。 いつも醤油にひたした肉球で、テーブルクロスにハンコをペタペタ。 さて、念入りな肉球ハンコのわけは――? きっとあなたの宝物になる。猫とあなたの7つの物語。（紹介文引用）
有川さんの作品は全て読んでいるのだけど、最近ちょっと思うところあって離れようかなあ、、などと考えていた時に出たねこ本。評判もいいのでここまでは読んでしまおう。ということで読了。
うん、ほのぼのねこストーリーばかりでなかなか良かった。文章にユーモアもあって、猫愛もあって、ホロリと切ないところもあって。７編中良かったものをさらりと感想。
「ハチジカン～旅猫リポート外伝～」
正直「旅猫リポート」サトルっていう主人公以外あんま覚えていないんだよね＾＾；良かった記憶だけはあるけど。そのサトルがナナを飼う前に飼っていたハチとの物語。
あんま関係ないけど、女の子には容姿を罵るのが１番効果的、な兄弟ゲンカの感じにちょっとイラついてしまった。１度飼った動物は何があっても手放すべきじゃないと思っている自分だけど、子どもなら仕方がない。しかも、こういう辛い事情があってはね。。悲しいお話だったな。
「こぼれたび～旅猫リポート外伝～」
サトルの大学時代のお話。大学の恩師がサトルの猫を引き取ってくれるという。恩師とは以前、行き違いから疎遠になったという過去があって。。
お互いの気持ちを伝えあえて良かった。サトルはなかなか印象深い学生みたい。魅力があるんだろうな、人間として。だから猫も懐くんだろう。
「猫の島」
「アンマーとぼくら」外伝だそう。これはもっと記憶にない。。沖縄が舞台なのでどうしても惹かれてしまうけれど。写真家の父を持つリョウの物語。あまりこういうダメ男を許して包み込む、みたいな昭和の女性像好きではないんだけど。新しいお母さんのことをお母さんとなかなか呼べない、結末で言えた、みたいなありがちな展開だろうな～と罰当たりなことを思っていたが読者に委ねる感じだったので良き。
「シュレーディンガーの猫」
生活能力のない漫画家と出産したばかりの妻のドタバタ物語。我が子より猫、って感じがどうかなあ、って思わなくもないけど、夫婦がいいならいいか。愛情はあるし。知恵袋で軽く炎上しちゃう夫がなんだかおかしかった。これが一番好きかなあ、暗さがなくって。
「粉飾決算」
クラゲに無慈悲、猫に慈悲。な父親をめぐる猫との物語。これはお父さんが主役だろうなあ。「この世に可愛くない猫はおらん」が良かった。こういう人、いるよね。でも現実では動物＞家族の人にはろくな人がいないんじゃないかと思っている。親戚にいるので。。
「みとりねこ」
２人の兄弟昌浩、浩美、そして猫の浩太。ウチの兄もモロ女性名なので自分の名前を憎んでおります。。浩美みたいに長じていい名前だって気づくなんてのは綺麗事とまでは言わないけれどリアルじゃないかな。。猫又になるために肉球はんこの練習をしている浩太が可愛い。けれど、違うって分かってるから読んでいて結末まで行くのが切ない。
以上。ほぼ全部書いたかな。
出てくる猫が賢くて可愛くて、なかなか面白かった。
う～ん、でもやっぱりちょっと色々引っかかるんだよね、有川さんの文章からチラつく価値観に。（具体的に何かは感想文の中に全部書いております）確実に合わなくなってきてると思う、すいません。
