すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

4月1日のマイホーム  (ねこ3.8匹)

真梨幸子著。実業之日本社

  東京都S区の分譲住宅「畝目4丁目プロジェクト」。 念願の新居に胸膨らませ引っ越してきた住人たちだが、ある家から死体が見つかった。 この土地にはかつて、昭和30年代に往年のスター・未唯紗英子が建てたアパートメントがあり、大量殺人事件が起きたという噂が――。 土地の因縁か、事故物件か。 大ヒット『6月31日の同窓会』に続く“日付シリーズ”第2弾は、怖いけどやめられない、中毒性100%ミステリー!(紹介文引用)
 
真梨さんの、いつものイヤミス。日付シリーズ、って書いてるけど前作とは何の関係もなさそうなのでご心配なく。
 
東京S区の分譲住宅地に越してきた5家族を巡る殺人事件+ドタバタ劇。憧れのS区(と言われても、大阪住みの自分には何区のことだか分からない)に無理をして引っ越してきた主婦ばかりで挨拶品マウントから何から色々張り合いが忙しい。ウチも建売分譲地で同じメーカーのお家が10軒並んでおりますが、、引っ越して5年超、年に1度の自治会会費集め以外のご近所づきあいはどのお宅もウチもゼロです。なので、引越しの挨拶に行って家の中に招かれてお茶するとか4,5軒の主婦たちが全員引っ越してすぐ訪ね合っておしゃべりするとか、どこの星のファンタジーなんだろうって感じで面白かった。よそのお宅のご主人の職業とか子どもさんの通っている学校のランクとか、この人たちはなんでそんなことばっかり気になるんだろう。。まあ、殺人事件?が起きているせいもあるのだけど自分の話をしすぎじゃない?この人たち。。一番面白かったのは、一万円のブランドの付箋とか9千円のオリーブオイルとかあるのね。。ってとこかも。はりきって用意したのにお返しがスポンジ一個って笑。空回りがすごい。
 
その腐乱死体が見つかったお宅が以前女優所有のアパートメントで、ちょっとヤバい噂が飛び交っているから過去との絡みが複雑。現在起きている事件もややこしくて、最後まで読んでああなるほどって感じ。発狂していく主婦たちが怖い。。狂犬病騒ぎにもなるんだけど、そんなわけないよねえ。連続死の真相の恐ろしいことといったら。。相変わらずのアリエナイけどあったら凄い、って感じのイヤミスのお味でなかなかでした。