すべてが猫になる

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8つの完璧な殺人/Eight Perfect Murders  (ねこ3.8匹)

ピーター・スワンソン著。務台夏子訳。創元推理文庫

ミステリー専門書店の店主マルコムのもとに、FBI捜査官が訪れる。マルコムは10年前、犯罪小説史上もっとも利口で、もっとも巧妙で、もっとも成功確実な“完璧な殺人”が登場する8作を選んで、店のブログにリストを掲載した。『赤い館の秘密』、『ABC殺人事件』、『見知らぬ乗客』……。捜査官によると、それら8つの作品の手口に似た殺人事件が続いているという。犯人は彼のリストに従っているのか? ミステリーへの愛がふんだんに込められた、謎と企みに満ちた傑作!(紹介文引用)
 
ピーター・スワンソンの邦訳新刊。「ミランダ」「ケイト」「アリス」「ダスティン」と来ていよいよ人名シリーズのネタが尽きたか。今作の主人公はミステリー専門書店の店主マルコム。彼が10年前にブログに掲載した「8つの完璧な殺人」リスト。それを参考にした連続殺人事件が発生していると、マルコムのもとへFBI捜査官のグウェンが訪れる。リストは「赤い館の秘密」「ABC殺人事件」「見知らぬ乗客」「殺人保険」「死の罠」「アクロイド殺害事件」などなど。それぞれの作品のネタバレが堂々と明かされているので未読の方はご注意。
 
スワンソンにしてはサプライズ的なパンチは弱い気はするが、内容自体はらしい作品ではあった。ネタバレになるのであまり書けないが…。秘密が中盤前に明かされているのでそう思うのかもしれないが、大元のネタを明かしているので後半の真相に関しては驚きが薄まったと言わざるをえない。本格ミステリーを題材にしているので読み物としてはなかなか読ませる、かな。(いやほんとに何も書けない。。)