すべてが猫になる

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フォトミステリー  (ねこ3.8匹)

道尾秀介著。WANI BOOKS。

世の中にすでに存在する写真に文を添えることでまったくあたらしい物語が生まれた―― 道尾秀介による危険な悪戯 写真から生まれた、道尾秀介初のショートショート集。 読み返すほど深まる――写真と連動する新感覚のミステリー。短いからこそ生まれる面白さに圧倒される「50作品」を収録。(紹介文引用)
 
ミッチーがこんな本を出していたとは知らなかった。以前「いけない」というシリーズで、最後のページが写真で終わるという画期的な試みを行った作家さんなので、今作のように写真があってそれにひとこと、ショートショート、みたいな仕掛けの本を出しても不思議ではないかもしれない。
 
50ほどの写真+文章が掲載されていて、写真については既存のものだそう。「写真でひとこと」っていうとIPPONグランプリや松っちゃんを連想しちゃうけど、ミッチーの場合はダークな世界。普通の平和な写真に怖い物語を添えたり怖い裏読みをしたり。ゾゾーっとする作品が多かった。一読して意味が分からなくて、何度も読み返すうちに意味が分かったりするものや、意味は分からないけどなんとなくノリや感覚でスっと入ってくるものなど。ファンタジーぽいものやただ笑わせたいのかな、という作品もあるし。(何度読んでも意味が分からなかったものがいくつか。。「いたずら少年は、翌朝になって発見された」「FはFlee~」など。「ごめんね」はなぜ仕事に行ったパパが教室にいるのかが謎。妄想ってこと?誰かおせーて)
 
特に好きだったのは「人のもの」「ちょっと遅かった」「弟は野良猫とビーグルのあいだだった」「生き餌」。