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ぎんなみ商店街の事件簿 SISTER編  (ねこ3.6匹)

井上真偽著。小学館

新・読書体験。驚愕のパラレルミステリー! 古き良き商店街で起きた不穏な事件。探偵役は三姉妹と四兄弟、事件と手がかりは同じなのに展開する推理は全く違う!? 〈Brother編〉との「両面読み」がおすすめです!(紹介文引用)
 
<BROTHER編>でこの作品の紹介をしてあるので今回は割愛。
 
トータルの印象は2冊読了しても変わらなかったけど、キャラクターの好みでいえばこちらのSISTER編の方が上かな。視点が女性だからだと思う。天然の長女佐々美、語り手の次女の都久音、ませていて賢い三女の桃。焼き鳥屋三姉妹(ササミ、つくね、モモ)。ササミとモモは名前だけ聞いても焼き鳥屋だって知らなかったら何も思わないけど、ツクネはあのツクネしか連想しないから可哀想だよね。。まあマンガとかならアリか。
 
商店に不動産会社の車が突っ込んだ事件と、中学校の美術準備室で起きた楽器破壊事件と、長女誘拐事件。BROTHER編のシェパーズ・パイ事件と幸福の王子事件と親子喧嘩事件と全く同じ内容のものが全く別の視点、別の解決を見せる。多重解決モノを2分冊して主人公を変えてやってみましたという感じかな。ほのぼのしたぎんなみ商店街で起きる事件ばかりで三姉妹が物心ついたころからお世話になっている人たちがほとんど。割にダークな解決をみせるものも多い。まあどっちの解決が好きかどうかは人それぞれなので、出来自体に差はないかな。
 
結構みんな醜悪な犯罪を犯している気がするのに商店街の大人や都久音たちが妙に寛容すぎて違和感。貧すれば鈍する、とか魔が差す、とかまあたしかにいい人でもそういうことはあると思うけれど、だからって普通犯罪に走る??などなど、引っかかるところが。。ミステリーのレベルとしても普通で、お話の吸引力もそれほどでもなく、井上真偽作品として考えると期待ハズレと言わざるをえないかな。。(これが普通の作家さんだったらまあまあの面白さはあると思う)