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シェア  (ねこ3.7匹)

真梨幸子著。光文社。

そのシェアハウスは、いわくつき物件だったーー都心の古民家シェアハウス「さくら館」。あやしい六人の女性入居者たち、床下から発見されたとんでもないもの、この家の過去にまつわる奇妙な噂・・・・・・ワケあり女たちの入り乱れる思惑に翻弄される衝撃作!(紹介文引用)
 
シェアハウスを舞台にした、真梨さんのイヤミス長編。なかなか面白かった。
 
41歳独身ユーチューバー鹿島穂花は、生活が立ち行かなくなり自宅の一軒家をシェアハウスとして貸し出すことを決めた。リフォームの真っ最中、キッチンの床下から赤ん坊の遺体が発見される。集まった女性6人は全員40代で、胡散臭い職業の人間ばかりだが…。
 
いやあ、全員がクセモノっていうね…。後から来た1人なんて妊婦だし。シェアハウスに妊婦て。しかも、産まれたら皆で赤ちゃんをシェアしましょうって頭わいてんのか。そしてキラキラネーム(幸ではつぴぃ、楓でめーぷる、愛子でラブなどなかなかの破壊力。40代でこんな名前の人はなかなかいまい、、は置いといて)が半数以上、こんな確率あるか?と思いながら読んでいくとだんだんこの6人がなぜ集まったのかが明るみになっていく。記者のインタビュー形式の章も差し挟まれ、緊迫感や臨場感も増していく。。まあここに出てくる女性たちの会話や状況を読んでいるだけである程度の満足感は得られるのが真梨さんの小説なんだけど。最後に明かされる何かや騙しが絶対あると長年の愛読者であるこちらは分かっているので注意して読み進めるも、、ちょっとこれはズルいかな。
 
まあしかしコロナ真っ只中の時代の問題や事件をリアルに描いているし、真梨作品はどれも似たようなお話と見せかけて同じ題材は1つもない、っていうのは凄いと思う。かなり刊行はハイペースなのにね。