すべてが猫になる

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卒業生には向かない真実/As Good As Dead  (ねこ4.4匹)

ホリー・ジャクソン著。服部京子訳。創元推理文庫

大学入学直前のピップに、不審な出来事がいくつも起きていた。無言電話に匿名のメール。首を切られたハトが敷地内で見つかり、私道にはチョークで首のない棒人間を書かれた。調べた結果、6年前の連続殺人事件との類似点に気づく。犯人は服役中だが無実を訴えていた。ピップのストーカーの行為が、この連続殺人の被害者に起きたことと似ているのはなぜなのか。ミステリ史上最も衝撃的な『自由研究には向かない殺人』三部作の完結編!(裏表紙引用)
 
シリーズ第3弾、3部作の最終作。
 
いやあ、もう………。。。
読んだ人は全員驚愕して興奮して脱力してページを閉じたと思う……。まさかこんな展開になるとは…。
言うとネタバレになるから何も言えないやつ……。
まっさらな状態で読みたい人はどこの誰のレビューも読まない方がいいよ。あと、このシリーズは100%(と言い切っていいと思う)1から順番に読みましょう。1~3の続きものだから。
 
 
壮絶な体験を経て、すっかり病んでしまったピップ。最初の頃の無邪気さや陽気さはもう微塵もなく。その代わり一生を共にできる恋人ラヴィやお互いを信頼しあえる友人、愛する家族に恵まれて。ピップのやったことには本当に驚いたけど、それからの展開がもうこれぞ手に汗握るというか。。言うの?言っちゃうの?言わないの?の繰り返しでイライラしたりホっとしたり涙が出そうになったり。ここでイライラするってことは、自分はピップのやったことを肯定しているんだな、とか。真実が明るみになってもそれはそれで自分は納得しただろうし。あやふやな結末になったら作者ズルいと言ってやろうかと思ったが、ピップの人生や意志を1つの方向に示した点は評価したいと思う。ジャンル的にはダークヒーロー、ノワール系だったと思えばアリだしね。