すべてが猫になる

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Another side of 辻村深月  (ねこ4.2匹)

辻村深月著。角川書店

書下ろし短編収録! 辻村深月作品を生み出す裏側、教えます。 書き下ろし短編、宮部みゆき伊坂幸太郎との特別対談、全作品解説インタビュー――唯一無二の小説を生み出し続ける辻村深月の裏側を徹底解剖。ファン必読の1冊、誕生! (紹介文引用)
 
べるさんに教えていただいた、大ファンである辻村深月さんのガイドブック。新作書き下ろし短篇が2作、アーティストや作家、アニメ監督との対談、全作解説などなどファンには嬉しすぎる内容。デビュー作からファンを公言している私が読まずして誰が読む。ということで。
で、ちょっとこれ、東野圭吾全作解説集を読み始めた時と同じ思考回路にはまっちゃってる。。ああ、買えば良かった。。。どうやら自分は著者による全作解説、が大好物のようで(最近知った)、こりゃ手元に置くべき保存版だぜ!と息巻いてしまった次第。。。が、単行本なので。。文庫が出たらということで。ははは。ほほほ。しまった、と思ったのがもう1つあって。こういうの読むと、「デビュー作から再読したい病」を発症してしまうのだ。。ああ、他にも再読している作家さんがたくさんいるのに。。
 
まあそれはさておき充実の内容。
宮部みゆきさんや朝井リョウさん、伊坂幸太郎さんとの対談には萌えた。いや燃えた。アニメ関連には興味が薄いのでノレなかったが、本当に色々な人種に影響を与え、そして影響を受けてらっしゃるんだなあと感激した。好きなものに対する10代からの情熱や疎外感(ある意味誇り)など自分と共通するものが多かったので同じ目線で読めたし、10代のキャラクターを描く時は取材するのではなく中学生だった自分そのものの感情を描いているというこだわりに感銘を受けた。他にも、現代の厳しいコンプライアンスについての考え方やご自身が優等生だったことのコンプレックスなど、全てをバネにして、影響を受けた全ての作品をしっかりと自分の核として作品に昇華していらっしゃることが確認できた。
 
ところで私のイチオシは相変わらず「凍りのくじら」や「サクラ咲く」「鍵のない夢を見る」なのだが(最近だと「傲慢と善良」「噛みあわない会話と、ある過去について」)、世間?では「ツナグ」や「冷たい校舎の時は止まる」「子どもたちは夜と遊ぶ」「ぼくのメジャースプーン」「オーダーメイド殺人クラブ」あたりが人気のよう。そ、そんなに良かったっけ?と焦ったのでほんとに再読したい。ツナグやオーダーメイドあたりはまだ覚えているし人気も分かるが。。。