すべてが猫になる

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月曜日の抹茶カフェ  (ねこ3.9匹)

青山美智子著。宝島社。

『木曜日にはココアを』待望の続編! 川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」。 その「マーブル・カフェ」が定休日の月曜日に、1度だけ「抹茶カフェ」を開くことに。 ツイていない携帯ショップ店員と愛想のない茶問屋の若旦那、妻を怒らせてしまった夫とランジェリーショップのデザイナー兼店主、恋人に別れを告げたばかりのシンガーと実家の祖母と折り合いが悪い紙芝居師、時代に取り残されたと感じている京都老舗和菓子屋の元女将と自分の名字と同じ名前の京菓子を買いにきたサラリーマン……。 この縁は、きっと宝物になる――。 人は知らず知らずのうちに、誰かの背中を押していることに気づく、 一杯の抹茶から始まる、東京と京都をつなぐ12ヵ月の心癒やされるストーリー。(紹介文引用)
 
「木曜日にはココアを」の続編だそうな。
青山さんの作品は心温まったりグっとくる台詞があったりとハズレなしってイメージなんだけども、今回も期待通り。どちらかというとこのシリーズは読みやすい青山作品の中でも特に読みやすく、ネガティブにいうとサラっと読めすぎちゃって読後あまり残ってなかったりする。そう言っちゃうとそんなに良くないんじゃ??と思われそうだけど、決してそんなことはないのよ。読んでいる間の心地良さというのがあるから。逆に、だからこそ押し付けがましくなく、「いやそんな綺麗事だけじゃないから」みたいな反発心も生まれないところがいい。
 
今作は「マーブルカフェ」のマスターが定休日に開いたイベント「抹茶カフェ」を皮切りに、登場人物がどんどん繋がっていく構成。前作で脇役だった人が次のお話で主役になるスタイル。人と人が繋がっていく奇跡や、日常の何気ない喜び、悩みがそこからさあっと取り払われていく感じが気持ちいい。1編目と最終話がきゅんきゅんと繋がっていく展開はこのシリーズならでは。
 
まあ私は抹茶スイーツってあまり好きじゃなんだけどね。濃茶が気になる。どんだけ苦いんだろう。。