すべてが猫になる

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任侠楽団  (ねこ3.7匹)

今野敏著。中央公論新社

義理人情に厚いヤクザの親分・阿岐本雄蔵のもとには、一風変わった経営再建の話が次々舞い込んでくる。今度は公演間近のオーケストラ!? ヤクザということがばれないように、コンサルティング会社の社員を装う代貸の日村。慣れないネクタイを絞めるだけでもうんざりなのに、楽団員同士のいざこざが頻発する。そんな中、指揮者が襲撃される事件が発生! 警視庁捜査一課からあの名(?)刑事がやってきて……。(紹介文引用)
 
任侠シリーズ第6弾~。
大好きな阿岐本シリーズ、今回は常任指揮者の交代から世代交代の波を受け派閥ができてしまった交響楽団の立て直しを任されるお話。「親の言うことはぜったーい!」のヤクザとは真逆の、実力主義の世界に翻弄される日村がオタオタしていて面白い。しかしいくら実力主義って言っても、ベテランに対する態度じゃないよね。そういうの関係なく、同じチームの人間に対する態度として、人としてそれどうなのって感じ。
 
それにしても、こういうガチの組員ってどう繕っても見た目や雰囲気でヤクザって分かりそうなもんなのにバレないもんだね。日村の立ち居振る舞いなんかも、誰が見ても只者じゃなさそうだけど。。阿岐本と組むことになった刑事の碓氷さんがいいやつ。。他のシリーズのキャラなんだってね。
 
で、今回は殺人未遂事件みたいなものが発生してしまって、「あれ、このシリーズってこういうこと起こるんだっけ?」と混乱してしまった。ミステリ好きだけど、このシリーズにそれ求めてないなあと思って。阿岐本さんがほのめかしてる恋愛要素みたいなモノの方が刺激的だけどな。ちょっといつもみたいなスカっとする感じはなかったかも。水戸黄門の印籠みたいなアレ。まあ次回に期待。