すべてが猫になる

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危険な蒸気船オリエント号/Danger on the SS Orient  (ねこ3.7匹)

C・A・ラーマー著。高橋恭美子訳。創元推理文庫

ブッククラブのメンバーは、蒸気船オリエント号での豪華クルーズに参加していた。仲間のひとりアンダースに誘われたのだ。アリシアにとっては彼とのロマンティックな船旅のはずだった。だが乗客が死亡したり行方不になったりで、それどころではなくなってしまう。アリシアたちはミステリマニアの血が騒ぎ、独自調査をはじめる! クリスティ好きの面々大活躍のシリーズ第2弾。(裏表紙引用)
 
ミステリ・マーダー・ブッククラブシリーズ第2弾。
第1弾がなかなか良かったのでこちらの続編も。今回の元ネタ?はもちろん「オリエント急行の殺人」。なので元を読んでからこちらを読みましょう。注意書き付きの元ネタネタバレがあります。
 
前作でアリシアの恋人(未満?)となった医師アンダースの誘いで、ブッククラブのメンバーはシドニーからオークランドまでの5日間のクルーズ旅行へ。しかし船内で車椅子の老婦人の転落死と船長夫人殺人事件が発生。アリシアらクラブのメンバーは捜査に乗り出すが…。
 
前作同様読みやすいしクリスティ作品の雰囲気大事にしてるし普通に面白い。ただ、前作のようなブッククラブで一致団結、みたいなものはなくなっていて残念かな。妹リネットですら目立たなくなっちゃってて、ほぼアリシアとアンダースの恋愛+捜査になってる。個性的なキャラもいるし真相がどんでん返るのはいいとしても、真犯人の動機がちょっとな~。。どんでん返る前の真相の方が良かったかも。。前にも書いたけど、やっぱ本家の足元にも及ばない。というより、クリスティ作品の魅力ってやっぱり「探偵の魅力」が大きいのよね。アリシアではとてもとても。アンダースは前作で私が予感した違和感の通りになっちゃってるし。まあ、次作も読むけど。「白昼の悪魔」だそうです。