すべてが猫になる

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サーモン・キャッチャー the Novel  (ねこ3.7匹)

道尾秀介著。光文社文庫

神様の通う屋内釣り堀カープ・キャッチャーの景品棚には、高得点でもらえる伝説の白い箱があった。 箱の中身を知りたいバイトの明、箱を狙う父親、店主を脅す女性、幽霊を撮影する兄妹、謎のヒツギム人らが釣り堀に集う時、運命は動く。 一匹の鯉を巡り、悩める者たちが人生をかけた大勝負。 怒涛の展開で大興奮、超絶技巧、名手道尾秀介の人生を変えるミステリー。(裏表紙引用)
 
劇作家ケラリーノ・サンドロヴィッチKERA)とのコラボ作品らしい。KERAが映画を担当し、ミッチーが小説を担当したとのこと。どうりでミッチーらしくない作風だったわけだ。大勢の登場人物が最後に全部繋がりあう群像劇、もう世界は完全に伊坂幸太郎だったもん。まあその既視感も原因ではあるけども、内容がゴチャゴチャしすぎててあまりノレなかったかな?
 
釣り堀<サーモン・キャッチャー>を中心に、冴えないけど釣り堀では神様扱いの中年男、ニセ心霊動画を撮影したい兄妹、釣り堀バイトの女子高生、その父親はなんでも屋なんでも屋を雇う金持ちマダム、息子に構ってもらえない中年女性、、、。最初は彼らの人となりや人生を描いていて、少しずつお互いが繋がっていく、、という感じでそのあたりまではまあ面白かったのだけど。ヒツギム人とかマダムの正体とかドタバタしすぎていて、川で全員で鯉探しをすることになったあたりからどうも強引さが際立ってしまったような。いやもちろん全部繋がることは凄いと思うのだけど。伊坂作品ならもっとここんとこスマートなのにな、とか考えて読んでしまった。あまりミッチーには群像劇向かないかも?普通ぐらいには楽しめるのでつまらない作品では決してないのだけども。。んー。