すべてが猫になる

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夢のような幸福  (ねこ3.8匹)

三浦しをん著。新潮文庫

欲望の発露する瞬間を考察し、友人と特異な「萌えポイント」について語り合う。伝説の名作漫画『愛と誠』再読でその不可解な魅力を再検証。世界の名作『嵐が丘』を読み乙女のテイストを堪能し、女同士でバクチクライブ旅。独自の見所発見の映画評、旅先の古書店の謎を探索。物語の萌芽にも似て脳内妄想はふくらむばかり――小説とはひと味違う濃厚テイストのエッセイをご賞味あれ!(裏表紙引用)
 
大好きなしをんさんのエッセイの読みこぼしをどんどん読んでいきたい所存。
 
今回も面白くてサクサク読めちゃう。
嵐が丘」のヒースクリフがいかに恐ろしいストーカーか、結構ボロクソ言うのになぜか織田裕二の映画ばかり観ているとか、ガラかめの速水さんがどんだけ鈍感か、などなど面白すぎる妄想から、変わり者の友人たちとの銀座イブデートや温泉旅、今回もネタがてんこもり。もうどこをつついていいか迷ってしまう。観察力洞察力もぶっ飛んでいる上、これが作家さんじゃなかったら心配になってしまうぐうたらぶりとの落差。書き方の問題なのかな?いつもしをんさんを「ブタさん」と呼ぶ強烈な弟が1番マトモ人間に描かれているかも。なんといっても友人たちがぶっ飛びすぎていて、しをんさんの上を行っているものだから。ほんとに、どこにこんな楽しい人たちが生息しているんだろうね。普通、島崎藤村正宗白鳥どちらとつき合いたいか、なんて考えないって(笑)。