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図書館ねこデューイ 町を幸せにしたトラねこの物語/Dewey  (ねこ3.8匹)

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ヴィッキー・マイロン著。羽田詩津子訳。ハヤカワノンフィクション文庫。

凍えるようなある冬の朝、アメリカ中西部にある田舎町の図書館長ヴィッキーは、返却ボックスの中でふるえている子ねこを見つける。デューイと名づけられたその雄ねこは、人なつこい性格と愛らしいしぐさでたちまち人気者になり、やがて町の人々の心のよりどころになってゆく。ともに歩んだ女性館長が自らの波瀾の半生を重ねながら、世界中に愛された図書館ねこの一生をつづった大感動のエッセイ。生きる元気をくれる一冊。(裏表紙引用)
 
80年代、スペンサー図書館で18年飼われた名物ねこデューイのものがたり。世界的に1番有名な「図書館猫」だそうだ。表紙の可愛さについ手を取ってしまった。
 
内容は、図書館長ヴィッキーの視点で描かれるデューイと町の人びととの関係。凍える季節、返却ボックスに捨てられていた子猫があっという間に海を越えて有名になる。開館時間には玄関で利用者に挨拶、利用者の膝という膝に乗り渡って人間を癒し続けるデューイ。輪ゴムが大好物だったりキャットフードは決まったものしか受け付けないなどの欠点すらも愛らしい。現代日本では考えられないよね。アレルギーの人もいるしねこ嫌いの人もいるし。まあ私はあまり人間が動物の気持ちを代弁する文化やねこカフェなんかは好きじゃない。けどこのスペンサー図書館は実在しているし、皆を幸せにしたこともデューイが幸せだったことも間違いないんだろう。それは読んでいても分かる。日本からもNHKから取材が行ったらしいが、正直読んでいて恥ずかしいふるまいだった。。
 
ただ、翻訳が読みづらいかな?時間がかかってしまった。ヴィッキー視点だからしょうがないんだけど、内容の半分近くは図書館長の壮絶すぎる半生に費やされていてしんどかった。。すいません、我々が読みたいのはデューイの話なんですが。。しかし医者が私用で急ぎたいから勝手に注射打って説明もなく子宮摘出されてあげく夫はアル中で離婚、兄妹は死亡、本人も病気ってどんだけ。。だからこそデューイに癒しを求めたのだろうか。
 
まあしかし白黒だけど写真もたくさん掲載されているし、ねこ好きには楽しめるかと。