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地獄の楽しみ方  (ねこ4匹)

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京極夏彦著。講談社文庫。

「あなたの世界」は言葉ひとつで変わってしまいます。 SNS炎上、対人トラブル――あらゆる争いは言葉の行き違いから起きています。 言葉の罠にはまらないため、語彙を増やして使いこなすわざを身につけましょう。 小説家・京極夏彦が指南する、地獄のようなこの世を楽しく生きていくための「言葉」徹底講座。(裏表紙引用)
 
15~19歳を対象とした一般公募から50名を選び特別授業を行い、その内容を文字起こししたものらしい。京極作品では有り得ないほどの薄さ(140ページ)が話題となった。
 
SNSとの向き合い方など、大人でも参考になる言葉がないかと思い読んでみたが薄いながらもどの話も含蓄ある内容で勉強になった。京極さんは「自分の話を真に受けるな」と嘯いていらっしゃるが、実際役立った人は多いだろう。10代にとって大事なのはその答えではなく、嘘をつかず論理立って説明してくれる大人ではないだろうか。
 
個人的に気に入ったのは本の感想に間違いなどはないという考え。まあこれも真に受け過ぎてもいけないかもしれない。自分擁護の危険性もあるし、実際アマゾンの感想などを見るとちょっと流石にそれはどうなんだろう、という投稿があるのは確かだし。しかしどんな本でも「楽しむ姿勢」があれば楽しめるという意見には賛同したい。なんでもかんでも褒める人はあまり信用できない性格なんだが、人生を豊かにするためならば頑張ってみよう。
 
この本に共感した人なら、森さんのクリームシリーズエッセイもオススメ。自分の人生の指南書となっている。