すべてが猫になる

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カクレカラクリ  (ねこ3.6匹)

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森博嗣著。講談社文庫。

あこがれの同級生、真知花梨の故郷を訪れた郡司と栗城。秘境のような小さな村には、明治初期に天才絡繰り師によって仕掛けられた隠れ絡繰りがあり、それが今年、動きだすはずだという。どんな装置か、どこにあるのか誰も知らない。言い伝えと石碑を手掛かりに百二十年まえの謎に挑む爽快青春ミステリィ。(裏表紙引用)
 
からくり、からくり。からくり。からくりだらけの森ミステリィ。大学生の郡司と栗城が写真撮影のために訪れたのは同級生花梨の故郷。そこは閉塞的な田舎村で、120年前から仕掛けられたからくりがあるという。殺人事件が起こるわけではないが、いがみあう真知家と山添家それぞれの嫌がらせや妨害がスパイスに。だけど森作品ならではののほほんとした雰囲気に終始助けられる。森作品で特徴的な詩のような文章も挿入されず、ひたすらからくり探しに奔走する若者たちの物語、ちょっと冗長な感じもあるが最後はしっかりと驚きのからくりが。映像的でどこか牧歌的、だけどちょっと哲学的な森ワールド。軽く読むには最適。