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社会人大学人見知り学部 卒業見込  (ねこ3.8匹)

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若林正恭著。角川文庫。

若手芸人の下積み期間と呼ばれる長い長いモラトリアムを過ごしたぼくは、随分世間離れした人間になっていた―。スタバで「グランデ」と頼めない自意識、飲み屋で先輩に「さっきから手酌なんだけど!!」と怒られても納得できない社会との違和。遠回りをしながらも内面を見つめ変化に向き合い自分らしい道を模索する。芸人・オードリー若林の大人気エッセイ、単行本未収録100ページ以上を追加した完全版、ついに刊行!(裏表紙引用)
 
オードリー・若林さんの人気エッセイを。
最近芸人本が続いているのは、本を全く読まない旦那が芸人のエッセイを精力的に読みたがり始めたから。旦那が本を読むなら全力でサポートいたします!
 
というわけで、オードリーは元々わたくしファンなのでありますが。若林さんの人となりというものも、うす~くは知っていたつもり。「まあ、だいたいこういう思考回路をするジャンルの方なんだろうな」と想像していた通りの内容ではありました。悪く言う意図はないけれど、だいたいのちょっとひねくれた人間(私のような)が思春期~20前半に世間に対して思っちゃうようなことを、30になってもまだ思っている人、という感じ。いやこれは悪口じゃない。これはこのエッセイを通じて、若林さんが「それじゃダメだ」と心を入れ替えていく成長記録なのだから。
 
しかしこのエッセイが書かれたのは随分前。若林さんがおっしゃるように、「自分は変わっていく人間」。結婚しお子さんにも恵まれた今の若林さんなら、またさらに大きく精神の飛躍を遂げていらっしゃるのでは。それに、時代の変化もある。今なら誰しもが問題提起しているようなこと、その犠牲者の1人でもあったんだな~と思えた。
 
いい風に変わって肩の力も抜けて、いいな~とも思うけれど、芸人さんなんだしね、あんまりマトモで普通すぎるのも寂しいもんだな、と。。実際、自分もそうだけど人って根本は変わらない。世をすねた姿もまたエッセイで見せて欲しいなと思う次第。