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サイレンス  (ねこ3.8匹)

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秋吉理香子著。文春文庫。

深雪は婚約者の俊亜貴を連れ故郷の雪之島を訪れる。結婚をしてありふれた幸せを手にいれるはずだった。ところが祝宴の席で深雪は思いもよらないことを島民たちから知らされ、状況は一変する。やがて俊亜貴は行方不明に…。この島、何かがおかしい―。人間の奥底にある執着心と狂気を描いた傑作サスペンス。(裏表紙引用)
 
最上級のイヤミス
かつてアイドルを目指すも挫折し、現在売れっ子アイドルのマネージャーをしている深雪。34歳となり、交際7年目の広告マン・俊亜貴を実家の両親に会わせることになった。深雪の実家は雪深く人口わずか300人の島で、東京っ子の俊亜貴が馴染めるか不安だった。やがて一つの年が終わり、新年を迎える――。
 
まあ、簡単に言うと。夢破れ結婚を焦った女性がクズ男に引っかかり、周りが止めても聞こうとしない、不幸への道まっしぐら、クズ男はクズ男で身を持ち崩して破滅、さあ2人はどこまで堕ちていくんでしょうか。という話。俊亜貴がクズすぎてキツいのもあるけど、もっとキツいのはそれをなんとなく察していながらもしがみついて離れない深雪のほう。深雪が担当しているアイドルと不倫して借金1200万とか、よく許せるな。。村の幼馴染たちが、ちょっと調子に乗ったりもするけれどみんな深雪の幸せを願っているのが良かった、それがなかったらヤバかったと思う。この結末のほうがよっぽど「ヤバいこと」なんだろうけど、深雪に関してはもうこれでいいかな。田舎に染まっちゃって、流されちゃって洗脳されたのかなあと思わなくもないけど、まあもともとここの子だもんねえ。こういう地域?がある限り、ジェンダーやら家父長制度、本家がなんだかんだという問題はなくならなさそう。。
ラストの弥生の章は、新たな悲劇の始まりだったりして。(結局クズ男に引っ掛かる女が後を絶たない)