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悪霊の島/Duma Key  (ねこ3.8匹)

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スティーヴン・キング著。白石朗訳。文春文庫。

その島には何かがいる―事故で片腕を失い、孤島に移住したエドガーは、突如、絵を描く衝動に襲われた。意思と関わりなく彼の手が描いたのは、少女と船の絵。これは何を意味するのか。夜ごと聴こえる謎の音は何か。そして島に建つ屋敷が封じる秘密とは。巨匠が久々に放つ圧巻のモダンホラー大作。恐怖の帝王、堂々の帰還!(上巻裏表紙引用)
 
キングのホラー大長編。やっぱキングはホラーがいいね、お家に帰ってきた感がする。
 
さて上下巻1100ページ弱、面白いけど一気読みとはいかず5,6日かけて読了。トラック乗車中、クレーン車に車ごと押しつぶされた建築会社社長のエドガーは、命は助かったものの右腕を失い、脳を打ちつけたことによる言語障害を発症してしまった。妻への暴言と暴力による離婚が成立し、失意のエドガーは孤島デュマ・キーへ一年間移住することに。そして突然絵を描くことに衝動をおぼえたエドガーは次々と作品を完成させ、やがてエドガーの作品は美術界を揺るがすことに。しかしエドガーに身についたのは絵を描く能力だけではなかった……。
 
クレーンに潰される描写がスローだったり轢かれた犬を絞め殺したりと、前半はさすがの迫力。片腕と妻を失った男の絶望と孤独がひしひしと伝わるのもいいし、やがて隣に住む謎の男と絆を深めていく過程も惹きつけられる。女主人・エリザベスのキャラが特にいいね。娘のイルサとのいい関係もなごむなあ~。
 
エドガーの描いた絵が現実になったり、過去にこの島で何が起きたかが分かったり、最後には仲間たちと一緒に悪霊と対決したり。なかなか盛り上がるし、話があっちこっちに飛ばないので読みやすかった。ずっと同じ話なので、飽きるといえば飽きるけども。。