すべてが猫になる

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さよならドビュッシー  (ねこ3匹)

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中山七里著。宝島社文庫

ピアニストからも絶賛!ドビュッシーの調べにのせて贈る、音楽ミステリー。ピアニストを目指す遙、16歳。祖父と従姉妹とともに火事に遭い、ひとりだけ生き残ったものの、全身大火傷の大怪我を負う。それでもピアニストになることを固く誓い、コンクール優勝を目指して猛レッスンに励む。ところが周囲で不吉な出来事が次々と起こり、やがて殺人事件まで発生する―。第8回『このミス』大賞受賞作品。(裏表紙引用)
 
※黒記事ですのでご注意下さい。
 
 
 
 
 
御子柴シリーズが一段落したので、と手に取ってみたシリーズ第1弾。中山さんといえば御子柴シリーズとこの岬洋介シリーズの両巨頭なのかなと思い軽い気持ちで読んでみたが、ちょっと苦戦した。とにかく演奏の描写やクラシックの薀蓄が多い。かなり読みやすく描かれているのだとは思うが、何度も何度も繰り返されるのでそのシーンになるたび泣きそうになった。。恩田さんのあの作品の時は大丈夫だったのになあ。演奏シーンがあるのはほぼ岬さんと主人公だけなので飽きるっていうのもある。ピアニストやクラシック愛好家の方が読めば面白いのかも?
 
あと、岬洋介は芯が通っていてカッコイイのでいい印象だったが、それ以外の人物がどうにも。。。特にイジメっ子三人衆やマスコミの台詞なんて、過激であればいいってもんじゃないというか、リアリティがなさすぎて読んでいて恥ずかしい。。あと全身のほとんどを火傷して皮膚移植した人間が数ヶ月でなかなか名のあるコンクールに出られるレベルになるなんてことあるの?努力と情熱があれば何でもできるの根性論に終始しているのも「古いなあ」って感じだし。煽りのどんでん返しもありがちだったし、犯人の動機や正体もおよそミステリーとは呼べないレベルの代物だった。
 
う~ん、批判ばっかりですいません。一気読みさせる技量はあったしどこかしら惹かれる部分もあったのだが。。御子柴シリーズを描いた人とは思えない。やはり「このミス大賞」と私は相性が悪い。。