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ヨルガオ殺人事件/Moonflower Murders  (ねこ4匹)

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アンソニーホロヴィッツ著。山田蘭訳。創元推理文庫

カササギ殺人事件』から2年。クレタ島でホテルを経営する元編集者のわたしを、英国から裕福な夫妻が訪ねてくる。彼らが所有するホテルで8年前に起きた殺人事件の真相をある本で見つけた──そう連絡してきた直後に娘が失踪したというのだ。その本とは名探偵アティカス・ピュント・シリーズの『愚行の代償』。それは、かつてわたしが編集したミステリだった……。巨匠クリスティへの完璧なオマージュ作品×英国のホテルで起きた殺人事件! 『カササギ殺人事件』の続編にして、至高の犯人当てミステリ!(上巻裏表紙引用)
 
カササギ殺人事件」シリーズ?第二弾ということで、ホーソーンシリーズとは別モノ。こっちの語り手のスーザンがあまり好きではないので微妙なのだが、ホーソーンよりはマシかな。。てきな。
 
今回のも凝っていて面白かったと思う。二回目となると衝撃も薄まるものだが、前作よりもより論理的に本格的寄りになっていて、クリスティ好き読者には大受けするのでは。またしてもタイトルのヨルガオ殺人事件(スーザン視点)とアラン・コンウェイの作品「愚行の代償」と二つのミステリ作品が楽しめる。どちらも独立した話なのだが、「愚行~」は「ヨルガオ~」のほう(現実)がモデルとなっているのでかなりややこしいので気合いが必要。それぞれ登場人物一覧が分けられていて、どちらも人数がとても多い。。もう少しお互いの事件が関連していればと思うのだが、両方ともとても面白いのでOKかな。個人的には、犯罪絡みとはいえ、人のプライバシーの最たるところを人前でバシバシえぐるスーザンの謎解きシーンに引きぎみ。。これがアティカス・ピュントなら「探偵」という免罪符があって許せたのかもしれないが。。
 
まあ、ともあれ「カササギ~」が好きだった人には間違いなく受ける作品だと思う。こんなにちゃんとした海外本格ミステリをリアルタイムで新作で次々読めるってなかなか今までできなかったからね。