すべてが猫になる

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下町ロケット ヤタガラス  (ねこ4.2匹)

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池井戸潤著。小学館文庫。

大型ロケット打ち上げの現場を離れた帝国重工の財前道生は、準天頂衛星「ヤタガラス」を利用した壮大な事業計画を立案。折しも新技術を獲得した佃製作所とタッグを組むが、思いがけないライバルが現れる。  帝国重工社内での熾烈な権力争い、かつて袂を分かったエンジニアたちの相剋。二転三転するプロジェクトに翻弄されながらも、技術力を信じ、仲間を信じて闘う佃航平と社員たち。信じる者の裏切り、一方で手を差し伸べてくれる者の温かさに胸打たれる開発のストーリーは怒濤のクライマックスへ。  大人気シリーズ第4弾! この技術が日本の農業を変える――。(裏表紙引用)
 
「ゴースト」に続く第4弾。続けて一気読み。
 
※ネタバレ記事です。ご注意下さい。
 
 
 
 
 
 
 
 
アゴースト伊丹の裏切りからまたアツイ展開に・・・!伊丹め、佃製作所のライバルダイダロスと資本業務提携とは・・・どこまで腐っているのか。佃のバルブ採用まで立ち消えになってしまったし!大森バルブ??あの二流の??絶対失敗するわ、今だけ調子に乗ってりゃいいわと思いながらもイライラ読み進める前半。今回は佃が財前と組んで無人農業ロボットのエンジンとトランスミッションを供給することに。大企業vs下町、ってことで、最初は宣伝効果もあり相手側の「ダーウィン」がもてはやされるわけだけど、結局欠陥が見つかって佃に頭を下げるハメになるっていう。見たことか、って感じ。でも前作の感想で書いた通り、伊丹は最初はそういう奴じゃなかったはずだから・・・最終的には改心して、佃が助けるっていうのがベストだなと思ってた。そのとおりになって良かった。
 
殿村さんも農業パートで結構出てくるので嬉しかった。なんか、田舎も色々しがらみがあって大変だなあ。なんでこんなに、モノの良さとか心とかと関係ないところで無駄に争いたい人間がいるんだろう。不思議でしょうがない。稲本はまだいいところがあって良かったけど、吉川?だっけ、あいつはどうしようもないよね。スカっとしたわ。
 
儲けも大事だけれど、ものづくりは結局人に喜んでもらうため、世の中を良くするためにある、という佃たちの考えが素敵だった。結局最後まで分かり合えなかった人も数人いるけれど、再登場して心を入れ替えればいいのになあと。あのうさんくさい中川弁護士とか消えた的場とかね。悪役が酷い目に遭うより、(一度痛い目を見てから)佃に影響を受けて改心する展開のほうが自分は好きかも。これぞこのシリーズの魅力という感じがする。