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さかさま少女のためのピアノソナタ  (ねこ3.7匹)

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北山猛邦著。講談社文庫。

古書店にあった「絶対に弾いてはならない!」と記された謎の楽譜。その旋律をピアノで奏でた高校生を襲う戦慄の出来事とは。TVドラマ化された表題作をはじめ、世にも奇妙な5つの物語を収録。美しくも切ない世界が一瞬にして変わる結末、心ざわつく余韻。これぞミステリの醍醐味。〈『千年図書館』を改題〉 (裏表紙引用)
 
「千年図書館」の改題。もとのタイトルの方が良かったのにー、と思っていたら、表題作は「世にも奇妙な物語」でドラマ化したらしい。なるほど。
 
「見返り谷から呼ぶ声」
死の洞窟から帰る時には振り返ってはいけないーー。そんな言い伝えのある北海道東部のある村で、中学生の女子が洞窟で目撃された。少年と少女の切なくちょっぴり怖いファンタジー
 
「千年図書館」
村で凶兆が出るたびに図書館に司書として捧げられる風習。ラストのイラストの意味がさっぱり分からず検索した。。怖いよね。
 
「今夜の月はしましま模様?」
大学生佳月のラジオが音楽生命体に乗っ取られてしまった。共存か侵略か。SFミステリ?異星人ラジーとの会話が漫才のようで面白かった。暗号や推理やら、人間と異星人で協力して謎を解こうとするあたりなど。密室殺人が出てくるとは。。
 
「終末硝子」
10年ぶりに故郷に戻ったエドワード青年。しかし懐かしいはずのそこには奇妙な塔がいくつも建てられていて…。塔のオーナー?みたいな男爵が「青髭」みたいで怖かった。男爵の真の目的に納得。
 
「さかさま少女のためのピアノソナタ
絶対に弾いてはいけないという楽譜。それを演奏した男子高校生に起きた現象とは。
音楽モノだし、映像もイメージしやすいかも。確かに「世にも」でやりそうな内容。
 
以上。
どれもフィニッシングストロークもので、最後に世界がひっくり返る系だった。ファンタジーとSFとミステリーが混ざったような感じで、世界観に入っていけないものとスっと入れるものとに分かれた。短編って最初に入っていけないと最後までついていけないのよね。最初の2作は正直なかなか頭に入らなくて。。どちらかと言うと「今夜の~」「終末~」みたいな不思議かつ知的な感じのもののほうが読みやすかったかも。。