すべてが猫になる

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祝言島  (ねこ3.7匹)

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真梨幸子著。小学館文庫。

二〇〇六年に起きた「十二月一日連続殺人事件」。死亡した三人の知人・七鬼紅玉は警察の取り調べ中に姿を消し、以来事件は未解決のままだ。彼らの共通点がもうひとつある。それが「祝言島」だった。二〇一七年、映像制作会社でアルバイトを始めた九重皐月は「祝言島」に関わる人々の再現ドラマを手にする。都市伝説とも言われる島の、忌まわしく不穏な日々がそこには収められていた。「祝言島」開拓に端を発する、3世代にわたる数奇な事件。連続殺人の真犯人と驚くべき動機とは。張り巡らされた伏線にラストまで目が離せない。二度読み必至の超絶技巧ミステリー!(裏表紙引用)
 
真梨さんの文庫新刊。
 
小笠原諸島にかつて存在していたという祝言島。2017年に発生した「十二月一日連続殺人事件」の被害者3人には共通点があった。容疑者となり失踪した女優ルビィは今どこにいるのか。祝言島に伝わる伝説はどれが真実なのか。大学生の九重皐月(メイ)がバイト先で入手した、事件に関連した人々の再現ドラマを通じて真相が明らかにされる。
 
いつもの真梨さんという感じ。読みなれているので、全ての登場人物を疑ってかかるしかない。売れない女優の枕営業、横暴なマネージャーとの関わり、クズのプロデューサー、芸能界の女性を渡り歩く遊び人など、「イヤミス」という煽り文句通りの胸がざわざわする内容。ただ、これぐらいならもっとイヤな作品はたくさんあるので…煽りすぎの帯が心配。
 
あまり内容に触れられない作品なので感想はこんな感じ。安定の面白さとややこしさ。