すべてが猫になる

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medium 霊媒探偵 城塚翡翠  (ねこ4.5匹)

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相沢沙呼著。講談社

推理作家として難事件を解決してきた香月史郎は、心に傷を負った女性、城塚翡翠と出逢う。彼女は霊媒であり、死者の言葉を伝えることができる。しかし、そこに証拠能力はなく、香月は霊視と論理の力を組み合わせながら、事件に立ち向かわなくてはならない。一方、巷では姿なき連続殺人鬼が人々を脅かしていた。一切の証拠を残さない殺人鬼を追い詰めることができるとすれば、それは翡翠の力のみ。だが、殺人鬼の魔手は密かに彼女へと迫っていた―。(紹介文引用)
 
20年度の三冠作品なので、既に読んだ人は多いと思うが…やっと廻ってきた(1回流しちゃったので)。
 
霊媒師・城塚翡翠と推理作家の香月史郎を中心とした4編収録の連作短編集。いつもならば、各編の感想を書いてから総合的な意見を書く、っていうのがウチのスタイルなんだけども………。1話の泣き女殺人事件、2話の水鏡荘殺人事件、3話の女子高生連続絞殺事件と読みすすめている間はまあ平和。う~ん、翡翠ちゃんのもえもえキャラはいいんだけど、ミステリ的には普通か普通以下だなあ…読みにくいし…これが三冠???最後になんかあるって噂だからこれだけのわけないよな、まあ挫折せずに頑張ってみるかあ、という感じで最終作へいざ。
 
うっそおおおおおおおおおおおおん……。
 
嘘だろ…嘘だと言ってくれ翡翠ちゃん…………。
 
騙された。すっかり。もう笑うしかない。香月のことはまあ、なんとなく予想がついていたのだけど(あまりにも2人の関係が不自然なのと、ラストの驚愕!と言われたらまあそれぐらいはやるのかなって)。。
 
わたくし、これでも3000冊はミステリーを読んで来ているのだが、それでもこの試みは初めてだったな。ミステリーのアイデアって、上限がないのかと思う。まだまだこんな手法があるのだなと嬉しくなった。いや、物語としてはショックだったんだけど(それでもそんな翡翠ちゃんも好きだ)。たいして面白くなかった3編ですら(ひどいこと言ってる)、大いなる伏線だったのだから脱帽するしかない。好きか、面白いか、って言われるとラスト意外は正直微妙なので満点は差し上げられないが、ミステリーとしての発想、仕掛けは文句なく満点だと思う。
 
しかし続編執筆中ってほんと?もう続編書く意味ないと思うんだけどまさかまた何か仕掛けが??