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必然という名の偶然  (ねこ3.6匹)

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西澤保彦著。実業之日本社文庫。

結婚式会場から姿を消した花嫁が。見知らぬマンションで夫が、名簿に名を連ねる同窓生たちが。嵐の夜に学校で妻が…。“腕貫探偵”シリーズでお馴染みの“櫃洗市”で、住人たちが次々に変死する。腕貫さんなくして謎は解けるのか?大富豪探偵・月夜見ひろゑが驚くべき方法で事件解明に挑む!殺人街と化した櫃洗市での奇妙・珍妙な事件を描く連作ミステリ6編。(裏表紙引用)
 
腕貫探偵シリーズ第3弾……と思って読んだら腕貫さん一ミリも出てこなかった。。どうやら舞台が「櫃洗市」というだけで、スピンオフみたいな感じみたい。腕貫の名前必要だったかなこれ。。
 
まあそれならそれで「ヒトゴロシティ」こと櫃洗市で起きた殺人事件の物語を楽しめばいいかと割り切る。うん、結構いいキャラもいるしねえ。大富豪探偵、だっけ。大金持ちのヒロっちがやたらキャラ立ってて、全話この人のシリーズにすれば良かったのになあ。。と思う。一方、すごく賢い刑事が2人いて、彼らが2つの事件をカッコ良く解決したりもするんだけど。ちょっともったいなかったなあ。腕貫さんじゃダメだったかな?
 
エスケープ・ブライダル」は人間関係が複雑。。復讐のためにそこまでするかという感じ。「偸盗の家」は女性アナウンサーの夫宛に届いた荷物が引き起こす殺人事件。ていうか、女性が普通これの中身はアダルトグッズだ、なんて分からないと思うんだけど…。注文したことあるのか?笑 娘のほうの心理も理解不能。義父側はわかるけど。名前についてのこんな偶然ってある?偶然がテーマにしても無理があったなあ。「必然という名の偶然」は同窓会名簿にまつわる事件。名簿の7番目の人間が必ず死んでいるらしい。ホラーっぽくて面白かった。姪っ子賢いね。「突然、嵐の如く」が一番好きかな。中学教師が家庭訪問の帰り道路が冠水して帰れなくなって、、で、奥さんに事件が起こる。やはり狂気を描かせるとうまいなあ。。でもスクール水着で家にあがりこんで迫ってくる女子中学生って…………。。西澤さん、キモいよ。「鍵」も良かったなあ。セールスマンが昔住んでいたマンションの部屋の鍵を見つけて、侵入しちゃったら見つかったので殺しちゃうっていう。やったことを考えたら気の毒ではないが、、ここまで計画するかね。ラストエスケープ・リユニオン」では一篇目のメンバーが集合。ヒロっち出たー笑。
 
以上。
ミステリとしてのレベルはなかなかだと思う。けど、西澤さんの描く男キャラって昔からこんなんだっけ?なんかおばさんや姪や身内に性的な欲望を感じる描写が絶対入っていて気持ち悪いんだけど。。。