すべてが猫になる

ヤフーブログからお引越し。

マスカレード・ナイト  (ねこ4匹)

f:id:yukiaya1031jp:20201012221901j:plain

東野圭吾著。集英社文庫

練馬のマンションの一室で若い女性の他殺体が発見された。ホテル・コルテシア東京のカウントダウン・パーティに犯人が現れるという密告状が警視庁に届く。新田浩介は潜入捜査のため、再びフロントに立つ。コンシェルジュに抜擢された山岸尚美はお客様への対応に追われていた。華麗なる仮面舞踏会が迫るなか、顔も分からない犯人を捕まえることができるのか!?ホテル最大の危機に名コンビが挑む。(裏表紙引用)
 
マスカレード・ホテルシリーズ第3弾。時系列的には2→1→3かな。
 
いや~~面白くて夢中で読んじゃった。長いので一気読みとはいかないけど。実は殺人事件のほうはあまり関心が持てなくて、コルテシア東京にやってくる無理難題ばかりふっかける客とコンシェルジュ尚美のあれやこれやのほうがずっと面白かったという。。ホテルってほんとにこんな変な客日常茶飯事なんだろうか。。ホテルのグレードにもよるだろうけど、一流ホテル利用客の割に「頭大丈夫か?」と言いたくなる要望出してくるのにビックリ。フィクションといえばそれまでなんだけど。正直、大晦日にいきなり誕生日ケーキを食品サンプルで用意してくれとか(どこも業者閉まってるわ!)、プロポーズ玉砕した翌日に別の女性客に一目惚れしたから2人きりで会えるようにしてくれとか(夫同伴だわ!)、何ヶ月も前から予約しなきゃいけないお店にいきなり今日行きたいとか…。でもコンシェルジュは絶対「無理」って言っちゃいけないらしく、尚美はとにかく頭を絞ってなんとかしちゃう。その過程がどうにも面白くって、もうこれらのエピソードだけで短篇集として成立しちゃうんじゃないの?と思った。でもさあ~、こんなワガママな要求を叶える仕事…素敵か?と感じてしまった自分もいた。。まあ、ホテル側にとったら毎日もしかしたら殺人犯を泊めてるかもしれないわけで、そう考えるときらびやかなだけの世界じゃないんだろうなと認識を改めてみたり。綺麗事や感動とかそういう次元を超えた世界なのかも。。
 
事件のほうはなんかコレいいのか悪いのか分からない。。現れるかどうかも分からない殺人犯を見つけようとするってだけだからなあ。。動機も気持ち悪かったし、なんかもっと盛り上がるのかと思ってた身としては拍子抜け。それよりも鬱陶しい客の日下部の秘密やある女性客の正体やら、新田の教育係の氏原さんとの関係性とかなんやかやに全部持って行かれちゃったかな。。あと新田、意外とチャラい。