今年の〈もう一人〉は、誰――? 多くの犠牲者が出た1998年度の〈災厄〉から3年。 春から夜見北中三年三組の一員となる生徒たちの中には、3年前の夏、見崎鳴と出会った少年・想の姿があった。 〈死者〉がクラスにまぎれこむ〈現象〉に備えて、今年は特別な〈対策〉を講じる想たちだったが、ある出来事をきっかけに歯車が狂いはじめ、ついに惨劇の幕が開く! 相次ぐ理不尽な“死”の恐怖、そして深まりゆく謎。 〈夜見山現象〉史上最凶の〈災厄〉に、想と鳴はどう立ち向かうのか――!? 綾辻行人が満を持して放つ、渾身の1200枚!（紹介文引用）
anotherシリーズ第３弾。
ぶ、ぶあつい。。単行本８００ページ。読みやすいのに１週間かかってしまった。もう記事のストックないよ。。
というわけで今回の主役は「Ｓ」で登場した想。実はたまたま今年、綾辻作品全作品再読したので記憶は新しく。超自然現象の細かいルールはきっちり説明が入っているので、覚えてなくてもついていけると思うが。それにしてもしかし、毎回ルールが厳密になるねえ。。「ある年」の特性が年ごとにあるみたいで、対策としても色々今までとは変えたほうがいいっていうのはわかる。で、今回想のクラスでは「最初から」いないもの、を２人にしてしまおう、という決まりが。鳴の年では途中から２人にしたので色々あったから。ていうか、中３の多感な時期にクラスメイトや教師からガン無視される役とか自分だったら病むなあ。。校内だけとはいえ。立候補した想は特殊な生育環境ゆえか妙に達観したところがあって、平気そうに振舞ってるけど自覚していない心の危うさみたいなものは感じるし。鳴に恋愛感情とかないのかな。ないか。
対策は万全だったのに、思わぬもう１人の「いないもの」さんの行動で災厄が始まったり、死者をアレしたのに災厄が止まらなかったりと、中盤以降の展開はさすがにスリリング。ミステリ作家らしく、「なぜ」の部分がしっかり説明されていてスッキリだし。
ちゃんと伏線があるのよねえ。しかし「記憶の改変、改ざん」って便利な機能（？）だな。。全部これで説明ついちゃう。
まだ続編があるそうな。「超自然現象もの」だから、災厄の原因を突き止めて二度と起こらないようにする、みたいな趣旨じゃないからね。いくらでも続けられそう。多分碓氷先生の娘ちゃんが主人公になるんだろうな。７年後とかやめてね。
