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銀翼のイカロス  (ねこ4.2匹)

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池井戸潤著。文春文庫。

出向先から銀行に復帰した半沢直樹は、破綻寸前の巨大航空会社を担当することに。ところが政府主導の再建機関がつきつけてきたのは、何と500億円もの借金の棒引き!?とても飲めない無茶な話だが、なぜか銀行上層部も敵に回る。銀行内部の大きな闇に直面した半沢の運命やいかに?無敵の痛快エンタメ第4作。(裏表紙引用)
 
 
おんもしろかった~~。これが一番好きかも。
 
さてめでたく東京中央銀行営業第二部に復帰した半沢さん。今回のお仕事は、業績悪化の帝国航空の再建築をフォロー。しかし再建可能な再建案を却下され、新政党の再生タスクフォース立ち上げにより貸付の7割(五百億円!)をカットさせられそうに。国土交通大臣の白井亜希子や弁護士の乃原、旧Tの曽根崎や常務の紀本、金融庁の黒崎の妨害に半沢はどう倍返しするのか。
 
今回の悪役たちはいつも以上。乃原が一番嫌いなのはもちろんだけど、お飾りで持ち上げられたっぽい白井がなかなかイライラさせてくれる。何も分からんのに受け売りでキンキンわめくし。国交省大臣に抜擢されるぐらいだから地頭はいいんだろうけど、祭り上げられる女性議員ってだいたいこういうイメージよね。紀本はもうほっとくとして、黒崎はキャラ立ちすぎて逆に憎めないというか。。この人1作目か2作目で出てたみたいね。ドラマの役が良すぎて原作に再登場させたのだとか。ヒアリングでの大立ち回り?はもはやギャグレベルだったけど、半沢さんの冷静さが引き立ってどちらもいい。曽根崎は小物すぎて途中退場。半沢さんの敵ではないな。泣くな泣くなおっさん。
 
途中で債務放棄を拒絶出来たかに思えた展開だけれど、中盤からまた別の大問題が。代議士の箕部の巨額の問題貸付、その使い道は!?これを世間に公表すれば半沢側にもデメリットはあるのだけど、間違いは間違いと認める姿勢がいい。お金と名誉は大事だけれど、それしか頭にない癖に上っ面はクリーンです、みたいな仕事、心底軽蔑するわあ。あースカっとした。今回は陰の立役者、富岡さんが特にカッコよかったなあ。
 
そしてしかし、半沢さんに衝撃の別れが。。ちょっとビックリ。あの人いなくなって大丈夫なんだろうか。。芯が通ってて結構好きだった人だからショックだわ。
 
というわけで大変面白かった。半沢シリーズ読むと、今までちょっと??だったニュースもこれからは多少理解できるかも。。