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QED 九段坂の春 ~flumen~  (ねこ3.8匹)

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高田崇史著。講談社文庫。

桜の木の下で、花びらを握り締めた男の死体が発見された。中学生の桑原崇が想いを寄せる、女教師・五十嵐弥生は事件に関係があるのか?崇の淡い失恋、棚旗奈々のファーストキス…小松崎、御名形らの学生時代が綴られ、いつしか複雑な糸は、1本の美しい「縁」となる。切なくも眩しい、QED青春編。(裏表紙引用)
 
QEDシリーズ第14弾…は番外編。flumenというのがその印らしい。なーんと今作、タタルたちレギュラーメンバー4名(タタル、奈々、熊つ崎、御名形…は、おまけ)の若かりし頃の物語4作が収められた短篇集ということで。タタルはなんと中二時代。あ、あんま変わってない…と思ったら年上の先生に初恋なんてしちゃってます。あばば。こっちが恥ずかしい。今のタタルの決め台詞の前身と思われる台詞で終わっちゃってるし。奈々ちゃんは初恋というより、好きになられて勝手にキスされました的な…。これ立派なセクハラだからな。ていうか、高校生時代とはいえ奈々ちゃんがタタル以外の男と…ってだけで怒りが…(笑)。熊つ崎の恋も、結構甘酸っぱいというか甘じょっぱいというか。これはさすがにかわいそう。。御名形パートはなんかあんま今と変わりばえしない。。
 
そんなこんなでそれぞれに殺人事件やら歴史薀蓄は入っているのだけど、連作ものらしく最後に繋がるのでミステリ的にもなかなか読み応えあり。でもやっぱ、薀蓄を語るのはタタルor御名形でないと。。知らん爺さんとか空手部男子とかどっかの奥さんとかがタタルばりに薀蓄ぶちかましてくれるのでありえなくて苦笑。。あんな歴史薀蓄語れるのタタルしかいないと思いたいんだけど。