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ドローン探偵と世界の終わりの館  (ねこ4匹)

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早坂吝著。文春文庫。

颯爽と空から現れ、犯人を捕獲する神出鬼没の“ドローン探偵”こと飛鷹六騎。ある日彼は、捜査中に両足を骨折。折しも大学探検部の面々と廃墟探検へ向かう予定だった。悩んだ末にドローンを操り、カメラ越しに探検をするが、廃墟の中では部員たちが何者かに襲われ始め―。定石破りの天才が贈る傑作ミステリ。(裏表紙引用)
 
またやられた…。早坂さんだって分かってたはずなのに、定番のクローズドミステリと漫画ばりのキャラクターの面白さに引っ張られてまた引っかかってしまった。いや、分かる人いるわけないけど。それでも伏線きっちり張られてたんだから負けを認めるしか。。早坂作品を読もうという読者ばかりだろうから、「ドローンに捕まって飛ぶ130センチのドローン探偵(って呼ぶと怒る)」なんていう設定自体に怒る人はあまりいるまい。探検部のメンバーの個性あふれるキャラクターやユーモア溢れる会話も楽しめるだろう。(まあ、性格のいいのが1人もいないあたりは好き嫌い分かれるところかも)1人1人が探検部員である官房長官の娘・玲亜(ノブレス・オブリージュ!)に色々思うところがあって、探検に入る「ヴァルハラ」なる館へのそれぞれの思い入れも合わさって、謎がいっぱい。そんな中、次々と「外からしか閉められない密室」や「一瞬でバラバラ死体」なんていうワクワクする事件が起きるんだからねえ。。しかも、主人公は両足を骨折していてドローンでの参加っていう(笑)。どういうトリックが!犯人は誰?!なんて考えていたら……おーい、そっちかーーーい、っていう。。まあこれは何も言えないんだけども。
 
仕掛けが大きすぎて、ストーリーのほうがちょっと散漫だったり主人公の活躍が物足りなかったり、ラグナロクの設定が複雑だったりともったいないところも多いのだけど。。そこをどう捉えるかが評価の分かれ目かも。私は好き。続編ありきな終わり方だったので期待。主人公がちょっと読み足りなかったので!