池井戸潤著。中公文庫。
その日、東京第一銀行に激震が走った。頭取から発表されたライバル行との合併。生き残りを懸けた交渉が進む中、臨店指導グループの跳ねっ返り・花咲舞は、ひょんなことから「組織の秘密」というパンドラの箱を開けてしまう。隠蔽工作、行内政治、妖怪重役…このままでは我が行はダメになる!花咲舞の正義が銀行の闇に斬り込む痛快連作短篇。(裏表紙引用)
花咲舞シリーズ第2弾。ドラマタイトルをそのまま使用しちゃうっていうのがいいね。確か半沢直樹モノと同時に出たんじゃなかったかな。売れたでしょうな。
本書は短篇集ではあるんだけど、そのまま次の話に全て流れていくから長編みたいな感じ。東京第一銀行臨店指導グループの花咲舞と上司の相馬が二人して、銀行の不正や悪習を暴いていくっていう痛快劇。前作から13年ぶりってことで、「不祥事」ほどの派手さや極端な痛快さはない気がする。扱う物事は大きいんだけど。舞が大物に啖呵を切って一喝するっていうのは同じなんだけど、話がちょっと専門的というか難しくなってるかなあ。