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白戸修の逃亡  (ねこ3.6匹)

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大倉崇裕著。双葉文庫

なぜかいつも事件に巻き込まれるお人好し探偵・白戸修。今回は、世界的に有名なビッグイベント『メガトンコミックフェスタ』を爆破すると予告し、中止に追い込んだ犯人に間違えられ、多くの人に追われることに…。しかし、行く先々で過去に事件で関わった人たちが救いの手を差し伸べてくれる。果たして彼は無実が証明され「白戸修」に戻れるのだろうか?シリーズ初の長編ミステリー!(裏表紙引用)
 
白戸修シリーズ第3弾。初の長編。
 
現在「季刊防災世界」編集部に身を置く白戸くんは、防災研究家聖田と共に徒歩帰宅の密着取材をすることになった。しかし立ち寄った喫茶店のトイレでいきなり見知らぬ男に襲われ、脅され着ているものを全て取り替えさせられてしまう。聖田は行方が分からないし、大事な聖田のスマホは持って行かれるし食い逃げと間違えられるし踏んだり蹴ったりの白戸くん。しかし事態はもっと悲惨だった。同人誌イベントの爆破予告犯と間違えられ、追われる身となったのだ…。
 
今までのキャラクター総出演の回。出したかっただけだろと言いたいぐらいほぼ全員出てきてる…?スプレー事件の七倉や盗聴バスターズの冴子さん(わーい)、オリキのユカさん、先輩仙道などは分かるけれど、第一弾を読んだのが昔すぎてストーカー被害に遭ってた恵さんとか万引き事件の重子さんとか強盗のナントカさんとか全然覚えてないぞ…。まあだいたい人となりは分かるけれど。まあ、作風がコミカルで軽いので、なんで行く先々で次から次へと助けてくれる人が現れるんだとかコミケの人やドルオタってこんなことしないだろ、とか細かいおかしさは無視するのがよろし。白戸くん、お人好しに輪がかかってるな…。自分を襲った松崎の体を心配したりホームレスを身代わりにはさせられないとゴネたり。お人好しじゃなかったら、とっくに無関係になれたのにねえ。まあそこが白戸くんのいいところ。
 
まあ、延々と逃亡→敵出現→仲間の助けが、っていう展開なので正直かなり飽きてしまった。加害者の動機は気の毒ではあったり(でも逆恨み)、ある人物の秘密についてはなるほどなって思うところもあったけども。キャラクター総出演ってことはもうこれで終わりなのかな?できれば短篇集で読みたかったなあ。