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殺人都市川崎  (ねこ4匹)

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浦賀和宏著。ハルキ文庫。

治安が悪く、地獄のような街で地べたを這いずって暮らしていると考えていた俺は間違っていた。出会ったら命がないと言われている、伝説の殺人鬼・奈良邦彦。本当の地獄は、あいつとの出会いから始まった。彼女を、そして両親を殺された俺は、それからも執拗に奈良に狙われ続け…。四一歳の若さで急逝した作家による、最期の挑発&最後の小説。(裏表紙引用)
 
2月に急逝した浦賀さんの最後の最後の作品。新シリーズだそうです。。亡くなる数日前まで本書の校正や打ち合わせをなさっていたそうで。デビュー作から全ての作品を追いかけてきた自分としてはまだまだ気持ちの整理がついていないところがあるけれど…最後の新作だと思って厳粛な気持ちで読みました。短いから1日かからなかったけどね。
 
まあとにかく「川崎ディスり」を設定とした世界観ということを理解してから。(浦賀さんの出身地だそう)川崎民のイメージは不良、田舎、犯罪、ろくでもない町という認識で生きている主人公の中学生・赤星。かつて川崎を震撼させた「後藤家殺人事件」の犯人・奈良邦彦が再び現れた。赤星の彼女が彼の目の前で惨殺されたのだ。元担任の後藤があの殺人事件の生き残りだと知った赤星と、武蔵小杉に引っ越した赤星の元カノ・愛&従兄が事件を調べ始めるが――。
 
人が死にまくる。。。浦賀作品ではそれが普通だがそれでもドン引くレベルで人が死ぬ。今回はあまり入り組んだ仕掛けはないのかな?と思っていたら、やはりラストで仕掛け発動。ど、どういうことだ。頭こんがらがり。からのトドメのトンデモ真相。浦賀作品でなかったら壁本かもしれないが、これが通常営業である。ネタバレ回避のためこれしか言うことができない。これをどうシリーズ化する予定だったのか、、、ご本人もさぞ無念だろう。浦賀さん、最後の最後まで浦賀作品らしい浦賀作品をありがとうございました。天国でも大好きな映画、たくさん観て下さい。残した全ての作品を忘れません。