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アンダー・ザ・ドーム/Under the Dome  (ねこ4.2匹)

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スティーヴン・キング著。白石朗訳。文春文庫。

ある晴れた日、田舎町チェスターズミルは透明の障壁によって外部から遮断された。上方は高空に達し、下方は地下深くまで及び、空気と水とをわずかに通す壁。2000人の町民は、脱出不能、破壊不能、原因不明の“ドーム”に幽閉されてしまった…。スピルバーグのプロダクションでTV化。恐怖の帝王の新たなる代表作。全4巻。(1巻裏表紙引用)
 
キングの大長編。あまりの面白さに、一ヶ月ちょっとで読破。ぱちぱち。
 
メイン州の田舎町チェスターズミルに突如出現した透明型ドーム。取り残された2千人あまりの人々は完全に閉じ込められ、脱出不可の無法地帯となった。町政委員、警察、元軍人、彼らの暴走は止められるのか、そしてドームの正体は――。
 
人々が見えない壁に車で激突したり、ヘリや飛行機が爆発炎上したり、近づいた人々のペースメーカーや電子機器が爆発したりと前半は大パニック。そして「悪役」町政委員や役立たずの副署長率いる「法」は、町の荒くれ者たちを警察官として採用してしまった。しかも銃まで持たせて。想像通り、バカ警官どもの餌食になる女性や町の人々。ドームの怖さというより、悪徳町政委員ビッグ・レム・ジニーチームと、元軍人で殺人とドーム製造の濡れ衣を着せられたバービーチームの攻防が読みどころ。物語のほとんどは、ジニーの横暴ぶりと牢に入れられひどい目に遭うバービーという構図で締められる。このジニーのやつがほんとに悪どくてクズで、イライラさせられっぱなし。バービー側にも新聞記者ジュリアや警官リンダ、賢い子どもたちなどなど味方はたくさんいるのだが…ほんと、脇役ほど役に立たないというか余計物事をややこしくするというか。こっちにも随分イライラさせられた。なぜ薬中に大事なファイルを預けてしまうのか、とかさんざん言われてるのに1人で行動するとか…もうずっとジニー側のターンが続くので泣きたくなる。息子のジュニアとかサイコパスで気持ち悪いし。町の人々がみんなジニーの言うことを信じるのがもう…人間ってパニックになると怖い。スーパーでの暴動とかね。
 
で、最終巻でバービー側が巻き返すのかと思ったら、え、え、そっちの方向に行くの?的な意外すぎる展開。いや、悪者はそれでもいいんだけど。。ちょっとチェスターズミル悲惨すぎないか。。派手でいいとは思うけど、ドームの正体というか解除?方法も「え、そんなこと?」って印象だったしなあ。いや、いいんだけど。もっとちゃんとジニーが町民やバービーにやられて欲しかった。まあ、それなりに感動したけどね。4巻分、飽きさせないスピード感でありました。おすすめ。