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クジャクを愛した容疑者  (ねこ3.8匹)

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大倉崇裕著。講談社文庫。

学同院大学で起きた殺人事件の容疑者は、クジャク愛好会の奇人大学生! だが無実を信じる警視庁いきもの係の名(迷)コンビ、窓際警部補・須藤友三と動物オタクの女性巡査・薄圭子はアニマル推理を繰り広げ、事件の裏側に潜むもうひとつの犯罪を探り当てる!? 表題作と「ピラニアを愛した容疑者」「ハリネズミを愛した容疑者」の傑作中編3本を収録!(裏表紙引用)
 
警視庁いきもの係シリーズ第4弾。3編収録の中編集。
 
「ピラニアを愛した容疑者」
子どもたちに人気の公園の池に、ピラニアが放流されていた。公園そばのマンションではピラニアを飼っていた男が殺害される。公園では子どもたちの声がうるさいと連日苦情が入っていたというが…。まあこれ、被害者も褒められたもんじゃないけど悲しい事件だなあと。もう少し意思疎通ができていたら…。しかしピラニアって臆病なんだねえ。薄ちゃんを悪しざまに言われキレる須藤がイイ。
 
クジャクを愛した容疑者」
学同院のおぼっちゃま学生が撲殺され河川敷に遺棄された。被害者の手にはクジャクの羽が握り締められていたが…。クジャク愛好会って楽しそうだな。容疑者が次第に増え、動物を愛する人と動物に非道になれる人との差が浮き彫りに。でも動物だけしか愛せないのもどうかと思う事件だった(薄ちゃんのことではないよ)。しかしなんだスカイレインボーハリケーンゴッドフェニックスて。
 
ハリネズミを愛した容疑者」
須藤の同期である池尻に情報漏えいの疑いが。池尻と接触した須藤も監察官にマークされてしまう。須藤チームは強盗に殺されかけ入院中の女性が飼っているハリネズミの世話を任されたが…。ハリネズミ事件と池尻事件は噛み合っていないが、うまいことストーリーが展開している感じ。これはまた、動物を愛しているけど自分のペット限定、っていう身勝手な犯行だなあと。動物愛が転じて人としての倫理観が欠如したら意味がないと思う。。
 
以上。今回も面白かった。薄ちゃんのボケがパワーアップしてるなあ。。ちょっとウザくなってしまうところも。。新メンバーの芦部、鳥アレルギーとかペーパードライバーならぬペーパーとかなかなかいいキャラしてるのに、目立ってなくて残念。これからかな?