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犬坊里美の冒険  (ねこ3.9匹)

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島田荘司著。光文社文庫

衆人環視の総社神道宮の境内に、忽然と現れて消えた一体の腐乱死体。容疑者として逮捕・起訴されたホームレスの冤罪を晴らすために、司法修習生・犬坊里美が活躍する!里美の恋と涙を描く青春小説として、津山、倉敷、総社を舞台にした旅情ミステリーとして、そして、仰天の大トリックが炸裂する島田「本格」の真髄として、おもしろさ満載の傑作司法ミステリー。(裏表紙引用)
 
御手洗潔シリーズ第24弾。。と言っても御手洗さんは名前が出てくるだけ、石岡君は電話のみの出演、里美主人公のスピンオフもの。試験に合格した里美がついに司法修習生に。配属先が倉敷の法律事務所に決定した里美だが、いきなり大事件を担当することに。吉備総社神宮道の境内で、衆人環視の中発見され消えた腐乱死体。容疑者は黙秘…。しかしこの容疑者、性犯罪の前科つきの一筋縄ではいかない相手。さあどうする。
 
とにかく、里美が仕事中や法廷内で語尾に「~ですぅ」「でぇ~」付ける喋り方なんとかして欲しかった。とにかくビービー泣くし、自信なさすぎるし、注意されてもミニスカートやめないし。キャラ立てるにしてもやりすぎ感が否めなかったわ。。しかし正義感が強くて、なあなあで済ませようとする検察や弁護士に対し絶対折れないのは良かったな。いくら最悪の容疑者とはいえ、冤罪だったとしたら許されないものね。この容疑者も変態中の変態で、頭わきすぎてて不快極まれり。そんな感じで到底楽しい読書とは言えなかったのだけれど、事件解決に向けての怒涛の展開はやはり島田さん、面白かった。腐乱死体の正体というか、死体が実は〇〇〇で〇〇〇した、っていう度肝を抜く真相。笑ってしまったわ。前半、ムダだと思っていた要素が実は伏線だったし、容疑者の変態も実はひと役買っていたりして。
 
しかしちょこちょこ出る歴史薀蓄は読むスピードを鈍くするな~。やはりこういうのはタタル(From QED)だから読めるんだよな。。あと、里美と石岡くんが告白し合ってるようなシーンがあったけど!?付き合っちゃえ。(でも20代と50半ばなんだよね、リアルに考えると。。)
 
というわけで、いくら面白くてもさすがにちょっと飽きてきたので他の作家さん挟みます。。