すべてが猫になる

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溺れる人魚  (ねこ3.5匹)

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島田荘司著。文春文庫。

オリンピックで4つの金メダルを獲得した天才女性スウィマーが30年後、リスボンで拳銃自殺を遂げた同じ夜、彼女を破滅に追い込んだ医師が射殺された。2人の命を奪った弾丸は同時刻に同じ拳銃から発射されたものだった!?表題作など異郷の都市を舞台に描く3篇と、著者の原点・横浜の今を描く1篇、巻末には自作解説を収録。(裏表紙引用)
 
御手洗潔シリーズ第22弾。
 
「人魚姫」にまつわる作品を集めた4編収録の短編集。あんま御手洗さんも石岡くんも出てこないので御手洗シリーズって感じあんましなかったけど。
 
「溺れる人魚」
リスボンの天才スイマーの身に起きた悲劇。なぜ彼女は精神に異常をきたし、30年後拳銃自殺を遂げたのか?とにかく狂い方が凄まじい。。これだけでかなり読ませる。しかし程度にもよると思うが〇〇〇〇〇ってヒドイ人はここまで凄い・・の?トリックの突飛さよりも、動機が…問題発言かもしれないけど殺されても仕方ないような。。
 
「人魚兵器」
前置きなっが!!!クルマとかナチとか・・・なにこれエッセイかと思った。薀蓄と歴史の記述が長いし面白くないしで。。やっと本題のものすごい人体実験話に入ったころには読む気力を失ってしまっていたよ。。。いや、人間の所業とは思えないヒドイ話だったけど。。
 
「耳の光る児」
ロシアやアジアで耳の光る赤児が4人生まれたが、母親にはそれぞれ共通点はなくて・・・というお話。御手洗さんが頑張って調べ物をして真相を暴くのだけどミステリー的な面白さはほとんどない。これも歴史薀蓄まみれでほんとにしんどかった。。
 
「海と毒薬」
ある女性が石岡くんにあてた手紙、という体裁。「異邦の騎士」関連のようだね。唯一薀蓄がなくて助かった。その女性がある男性から受けたひどい仕打ちと立ち直るまでが長々と綴られる。知らんがな、って感じだけど。
 
 
以上。適当な感想ですいません。だって本当にしんどかったのだもの。。年を取ると難しいこと語りたくなるのかなあ。それとも自分がおバカなの?(それもある)あんま今の自粛時期に難しいの読みたくないので不当な評価だったとしたら申し訳ない。表題作と、他の作品から薀蓄&歴史部分を排除したらかなり物語的にはレベル高かったと思う。。