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QED ~ventus~ 熊野の残照  (ねこ3.8匹)

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高田崇史著。講談社文庫。

人には言えないある理由から、故郷・熊野を捨てた26歳の薬剤師・神山禮子。何かに衝き動かされるように参加した熊野旅行で、彼女は…。後鳥羽上皇たちは、なぜ苦行の熊野詣でを繰り返したのか?牛王宝印にかけられた呪と、八咫烏の正体とは?崇が神話の本質を暴くとき、禮子の真実が溶け出していく。(裏表紙引用)
 
QEDシリーズ第10弾。
 
また~ventus~とあるが、どうやらスピンオフ的な位置づけの作品なのね、これが付くと。前回のスピンオフはどこがどうスピンオフなのか???だったが、本作は視点が全くの第三者だったり事件が現場で起きなかったりと区別化できてる気がする。
 
今回は熊野ということで、今年行ったばかりのところ。わーい。回る順番に意味があることは知らなかったのでショックだったけれど、まあいいか。行ったところが色々出てくるので脳内映像が浮かんでなかなか楽しい。薀蓄はサッパリ分からないが…。ここまで来ると、まあ、歴史ってどうやっても元を辿れば綺麗な意味なんかないんだなあと(真実かは分からんが)。
 
そして語り手の神山さん視点。タタルがボロクソなのが笑える…。しかも、他人から見ると奈々ちゃんとタタルって不釣り合いだったんだ…。読者としては、すごくお似合いだと思ってるからビックリ。神山さんの過去の事件が胸糞すぎてキツい。最終章がさらにキツい。このシリーズでこんな感想を抱くとは…。とにかく時代だか歴史だか抗えないナントカだか知らないが、男側に同情の余地与えてるのが腹立つなー。