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不穏な眠り  (ねこ3.8匹)

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若竹七海著。文春文庫。

葉村の働く書店で“鉄道ミステリフェア”の目玉として借りた弾痕のあるABC時刻表が盗難にあう。行方を追ううちに思わぬ展開に(「逃げだした時刻表」)。相続で引き継いだ家にいつのまにか居座り、死んだ女の知人を捜してほしいという依頼を受ける(「不穏な眠り」)。満身創痍のタフで不運な女探偵・葉村晶シリーズ。(裏表紙引用)
 
葉村晶シリーズ第6弾は4編収録の短編集。
 
「水沫隠れの日々」
「みなわがくれ」と読むそうな。知らなくて恥ずかしい。
終活予定の吉祥寺のマダムからの依頼は、亡くなった友人の娘が出所するところを迎えに行って欲しいというものだった。不倫相手が言っていた「ヤバイもの」が想像を越えた…。この娘、なんだかなあ。。言っても通じない人という感じ。このマダムもなんかあると思ってたし、どうしようもなかったのかなあと。
 
「新春のラビリンス」
幽霊が出ると噂のビルの深夜警備に駆り出された晶。警備をばっくれた男の恋人から、恋人を探してくれと依頼されたが…。ってこの依頼人むかつくな。。ことが大きすぎる。。悪いやつっていうのはここまでするんだね。
 
「逃げだした時刻表」
晶の勤める古本屋で開催される「鉄道ミステリ・フェア」。そこで非売品として披露される貴重な時刻表が盗まれた。この時刻表、私も欲しいな(笑)。鉄道ミステリって苦手だけど、古本にむらがる人々の悲喜こもごもが面白かった。ただ、ストーリーが複雑すぎてついていけなかった。
 
「不穏な眠り」
12年前、近所に住む老婆のいとこが亡くなった。そのいとこの家を片付けるために雇った便利屋は後々その家を借り受けるが、不審な女を同居させていた。やがてその女が遺体で発見され…。犯人は中盤で判明するが、そのあとの女の人間関係や人生が複雑。悪どいことをやるといろんな人が不幸になるし、ろくな死に方しないなと。タイトル通りだね。
 
以上。
いつも通りの満身創痍探偵。包丁は突きつけられるわ首を絞められるわ今回もさんざんな晶さん。多分、同い年くらいじゃないかと思うのだが晶さんの老化が激しいのはひどい目に遭いすぎてるからでは。。自分から首を突っ込んでるケースが多いのだけどね。こういう正義感やタフさは晶さんの魅力でもあるわけで、これからも体に気をつけて頑張っていただきたい。
ただ、自分も老化したのか、最近の葉村シリーズは話がややこしすぎて理解しきれない。途中まで頑張って読むのだけどもう後半になると考えるのを放棄してしまうようになった。このシリーズだけなんだけどね。まあ面白いから読むけど。