すべてが猫になる

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クローバーナイト  (ねこ3.5匹)

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辻村深月著。光文社文庫

小さな会計事務所で働く鶴峯裕は同い年の妻・志保と共働き、四歳の長女・莉枝未ともうすぐ二歳になる長男・琉大を保育園に預け、バタバタの日々を過ごしている。そんな鶴峯家に、ママ友、パパ友から子育てにまつわる難題と謎が押し寄せる!そして事件はとうとう鶴峯家にも―。裕は数々の謎を解き、育児の問題も解決して、家族の幸せを守れるのか!?家族を守る新米騎士が育児と謎解きに悪戦苦闘!現代を代表する家族小説×ミステリー!(裏表紙引用)
 
会計事務所で働く裕と、オーガニックコットン専門ブランド社長の志保。そして娘の莉枝未と息子の琉大。都内で暮らす4人家族の子育て奮闘記。
 
さすが辻村さんという感じでどのお話も読む手が止まらない面白さなのは間違いない。各章ごとミステリー仕立てにもなっていて、それぞれ同じ保育園ママたちのちょっとした不審な行動などが最後に明かされ、さらにその問題を解決していく構成。物語的には家族愛や物事の視野の狭さを追求するものになっていて問題ないと思うのだが、もうこの中の世界が凄すぎてついていけなかったというのが本音。
 
ホカツのポイント稼ぎのために離婚、ブラックフォーマルでお迎え(挨拶はごきげんよう)、誕生日会には100万クラスの予算、会場はホテルや高級レストラン(クラス全員を呼ばなきゃいけない、全員に1万円相当のお返しをしなくてはいけない、場所が他の子とかぶってはいけない、お返しがかぶってもいけない)、自宅でやるなら寿司職人を呼びスイーツの屋台。願書を一桁台にするため夜12時から並び、熱意を示すため時間までスマホも本も見ない。子どもには身長分のペーパーテスト。
 
なんかもう、どうぞご勝手に。という感じ。
 
裕と志保もいい人すぎて違和感が強め。分からない世界だけに面白さは際立っていたけど、不愉快な要素のほうが上回っちゃったな。色々言いたいことあるけど止まらなくなるので自制。