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ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~  (ねこ3.7匹)

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三上延著。メディアワークス文庫

ビブリア古書堂に迫る影。太宰治自家用の『晩年』をめぐり、取り引きに訪れた老獪な道具商の男。彼はある一冊の古書を残していく―。奇妙な縁に導かれ、対峙することになった劇作家ウィリアム・シェイクスピアの古書と謎多き仕掛け。青年店員と美しき女店主は、彼女の祖父によって張り巡らされていた巧妙な罠へと嵌っていくのだった…。人から人へと受け継がれる古書と、脈々と続く家族の縁。その物語に幕引きのときがおとずれる。(裏表紙引用)
 
ついに完結!まあ、綺麗に終わったわね。
 
今回のテーマはシェイクスピア。「ファースト・フォリオ」という、400年前に出版されたシェイクスピアの戯曲を集めた最初の作品集。栞子さん、母親智恵子さん、久我山書房の元番頭・吉原が振り市で対決する。
 
昔の本はそれぞれ持ち主が函や装丁を作ったり切ったり貼ったりするものだったというのがとにかく興味深かった。鋏で本を切り開いたり、ページとページを糊付けしたりと今の感覚では信じられない暴挙を本に対して行うので、事情があるとはいえそういうシーンがあるたびに「あああやめてくれ…」という気分になった。面白いんだけどね、そういう異文化に触れるのは。とは言ってもたかが紙切れの束に五千万とか一億とか、一般人には到底理解できない世界だわあ。古書店がその金額を出すのは商売のためだし文化的な価値があるのは間違いないけど、その金額を出して所有したいだけの人って本当に本が好きなのかなあ。。色んな価値観があるんだろうけど。
 
智恵子さんは相変わらず智恵子さんでした。まあ、普通の小説みたいに最後は抱き合って理解し合ってなんて終わりにはならないのは分かってたけど。最後までいい印象は持てないままだったなあ。家を出ていった理由は分かったけど、この理由なら仕方ないとは思わなかったし。実生活に支障をきたすほどのめり込むものがあるなら、独身を貫くべきでは。。まあ、人の勝手だけど。
 
あとは栞子さんと五浦さんがまあおさまるところにおさまりデレデレ。まあ、良かったよ。栞子さんには誰かストッパーの役割が必要だろうし五浦さんも守るものがある方が頑張れる人だろうし。うんうん。続編待つ(コラ)。