星のふる晩、青年刑事ショーンは川に身をなげようとした娘を救った。事情を尋ねると、彼女は悲嘆にくれた理由を語る。正確きわまりない予言をしてきた謎の人物に、信じがたい状況で父親が死ぬと宣告されたというのだ。実業家の父親を狙った犯罪を疑うショーンの要請で、警察は予言者の捜査を始める。巧みな心理描写と息詰まる緊迫感でサスペンスの巨匠の真骨頂を示す不朽の名作! (裏表紙引用)
私はまだアイリッシュの熱心な読者ではない、ない、が…本書は「不朽の名作」ではない、と思う…。読み終わって呆然とした後にこれは元々別名義で出したものだと知った。。謎の女が自殺を図り、それを止めた刑事が共に真相を調べるというアイリッシュらしい始まりに最初は胸踊ったが、こちらとしては「預言者」が次々と当てる不吉あるいは幸運が実は女の父親を殺すための準備だったのだ!というところまでは完成させて欲しかった。さすがにネタが多すぎて処理しきれなかったのだろうか。7人も刑事が登場しそれぞれ捜査までするので、期待してしまうではないか。あと、どうにも無駄なシーンが多くて…。ゲームとか…。
まあしかし、ロマンチックな文体は相変わらずとても良いので、そちらに頭を切り替えたら楽しめるかな。あと、予言されたライオンがホントに登場するのでちょっと笑える。。本筋に関係ない事件のほうがゾクっとしたかも。あの仲の悪い夫婦の夫の企みには参った。
タイトルはいいのになあ。はは。